救援新聞・北九州版 2010年9月15日

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★ 目  次 ★
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 ■九州定温輸送に福岡高裁不当判決
 ■公判・集会
 ■すべての大会を成功させよう!
 ■大崎事件 第2次再審請求を鹿児島地裁に申し立て
  原口さん「無実の罪を晴らすまでお力を」
 ■市民の目線で裁判員裁判を検証
  弁護士,傍聴経験者,裁判所職員を囲んで交流
 ■えん罪・爪ケア事件判決
 ■「言論表現,政治活動の自由と国際人権規約」bR
  個人通報制度の早期実現をめざして


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■九州定温輸送に福岡高裁不当判決
 「組合つぶしの会社解散は許せない」「『100%子会社の雇用責任は親会社』という市民感覚に沿った判決を」とたたかい続けた九州定温輸送の控訴審判決が8月26日福岡高裁であり、小山邦和裁判長は地裁判決で認めていた不当労働行為による損害賠償までも覆した会社の主張通りの不当判決をくだしました。
 判決は、会社解散は「経営改善策をつくしたうえでやむを得ない手段」であり、「不当労働行為意思の存在が疑われないわけではない」がとしつつも、九州定温輸送のやったことで、親会社のワイケーサービスの責任と言い切る証拠はないと地裁判決を取り消しました。
 この判決公判には北九州からだけでなく、県内各地から100名を越える支援者がかけつけ、労働者の最後の砦である労働組合の存在を絶対認めさせなければと法廷を見守りました。 しかし裁判所は会社べったりの不当判決で全国の労働者の期待を裏切りました。 判決後開かれた報告集会では、あまりのひどい判決に怒りの声が渦巻きました。
 建交労福岡県委員長は「全くの不当な判決で怒りを感じる、建交労は今後とも断固闘う」と決意を述べました。
 原告団、支援共闘会議、建交労、支援する会では判決報告集会をひらきます。

高裁判決報告決起集会
不当な判決に抗議し、たたかいの成果に確信を持ち、5人の青年たちと共に新たな闘いへ!
一人でも多くの参加を訴えます!
 9月14日(火)
 18時30分
 ウエルとばた

ワイケイサービスに話し合い解決を申し入れ
 判決直後の28日から開催された建交労全国大会に原告のKさんが参加し、判決を報告すると共に今後の支援を訴えました。
 9月1日には建交労県本部O副委員長と、北九州支部のI委員長とKさんはワイケーサービスに「早期に話し合いで解決を」と申し入れました。 応対したワイケーサービスは「1日も早い解決を望んでいますが、話は弁護士を通じて」といつもの応対に、Kさんは「何年かかってもたたかい続けますから」と会社に強く申し渡しました。


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■公判・集会
◎爪ケア事件判決
  9月16日(木)10時30分〜
 (高裁)
◎九州定温輸送県労働委員会審問
  9月21日(火)
○国民救援会福岡県本部大会
  9月26日(日)10時30分〜
  福岡市早良市民センター
○JR不採用問題解決報告レセプション
  9月26日(日)12時〜
◎裁判員裁判
  9月24日(金)〜30日(木)
○「赤旗まつり」
  10月3日(日)11時〜
  福岡市舞鶴公園
◎裁判員裁判
  10月4日(月)〜8日(金)
◎大崎事件現地調査
  10月16日(土)〜17日(日)
  大崎町「あすぱる大崎」参加費


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■すべての大会を成功させよう!
第44回県本部大会
 9月26日(日)10:30〜
 福岡市早良市民センター

第28回総支部大会
 10月27日(水)18:00〜
 戸畑生涯学習センター

第27回若松支部大会
 11月6日(土)14:00〜
 若松市民センター


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大崎事件 第2次再審請求を鹿児島地裁に申し立て
 原口さん「無実の罪を晴らすまでお力を」

 待ちに待った大崎事件の第2次再審請求が8月30日、鹿児島地裁に申立てられました。
 2006年に最高裁に再審請求が棄却されて、その日から原口アヤ子さんはこの日を待っていました。
 1979年鹿児島県大崎町で起こった殺人事件の犯人とされて、無実を訴えながら懲役10年の判決を受け服役、裁判のやり直しを訴え続けている原口アヤ子さんはもう83歳になります。
 からだも弱り、車いすで移動するようになっていますが、元気いっぱいに「やっと第二回目の再審請求ができた事を大変うれしく思います。 私はこの罪を受けたまま死ぬことはできません。 この申し立てを裁判所が一日も早認めてくれるようみなさんお力を貸して下さい」と訴えました。
 裁判所に再審請求書を提出後、自治労会館で開かれた報告集会には、櫻井さんなど全国から三〇〇名が参加し、一日も早い再審開始を求めてたたかうことが申し合わされました。 この集会に北九州から七名が参加しました。


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■市民の目線で裁判員裁判を検証
 弁護士,傍聴経験者,裁判所職員を囲んで交流

裁判員裁判が始まって1年余、市民が参加する事で裁判がどう変わったのかを検証する集会を、総支部主催で8月27日戸畑生涯学習センターで開きました。
 集会はまず福岡支部で裁判員裁判を取り組んでいるA弁護士より「裁判員制度について」問題提起していただき、小倉支部で裁判員裁判を取り組んだA弁護士とH弁護士にそれぞれ自分の事件を中心に裁判員制度について感想や問題点を出してもらいました。 弁護士からはそれぞれ「公判前整理手続きは絞り込みすぎで公判を形骸化させる危険がある」「『わかりやすく』を追及するあまりプレゼ―テーション合戦になる恐れがある」「裁判員は有罪か無罪かの事実認定に関与し、量刑については職業裁判官が行えばよいと思う」など話されました。
 また、県弁護士会で行っているモニターとして裁判を傍聴したUさんからは、「検察側と弁護団ではプレゼンの差が歴然としていた。 もっと被告人の心情を表現する工夫が必要、裁判が始まる前から勝負が決まっているような感じだった」と弁護側に厳しい注文をつけました。
 裁判所職員の人は「裁判員の人は本当にまじめです。 殺人事件の審理など過酷な状況に直面する裁判員のメンタルヘルスが必要だし、裁判員裁判が増えると他の事件の審理が遅れ、勾留が必要以上に長くならないか心配だ」などと裁判所の職員も一生懸命頑張っている状況が話されました。
 参加者からも、裁判員制度そのものについての質問などもあり、今後ともこのような集いを重ねていく事が大切なのではの意見が寄せられました。


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■えん罪・爪ケア事件判決
 9月16日(木)
 10:30〜
 福岡高裁


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■「言論表現,政治活動の自由と国際人権規約」bR
 個人通報制度の早期実現をめざして

 さてその次に自由権規約と選択議定書という話を聞いたことがあると思いますけれども、自由権規約には選択議定書というのが二つくっついています。 くっついているというのは全然別の条約なんですけれども二つある。 それは一つは第1選択議定書、もうひとつは第2選択議定書とあります。
 今日のテーマは第1選択議定書の方ですから、第2は置いておいて第一の方、これは個人通報を可能にする文書です。 第2死刑廃止に関する文書です。 選択議定書、議定書と書いていますけれども、条約なんです。 この条約を批准しますと、たとえばもし第2選択議定書を批准しますと日本は死刑を廃止しなくてはならない。 そういう義務を負うことになります。 第1選択議定書の方は批准によって個人通報が可能になるわけですから、個人でも人権侵害があれば通報できることになります。
 その次に国際人権諸条約と個人通報という、この関係をお話します。 国際人権諸条約というと、自由権規約、社会権規約だけではなくて女性差別撤廃条約だとか拷問禁止条約だとかありますけれども、そういう人権条約の中には個人通報制度というのが備わっているものがあります。 日本が批准している人権条約のうち5つはこの個人通報制度が備わっています。 それは何かといいますと国際人権規約、そのなかにある自由権規約と社会権規約、この二つですね。 それと拷問禁止条約、人種差別撤廃条約、女性差別禁止条約諸条約この5つが個人通報制度が備わっています。 ただ備わり方が違っていて、その別の条約、選択議定書というのを批准しないといけないものと、選択議定書がくっついてなくて、その条約の中の受託規定というものを受託しますと言っただけで、個人通報ができるようになるという方式と二つあります。
 次にこの自由権規約、これが中心テーマなのですけれども、実際あっただけでも、批准しただけでもしようがない。 それがそれぞれの国においてきちんと実践されることが必要です。 つまり定着し、活用されることが大事なことなのです。 しかし、ほっといたらだれも活用しないし、いつまでも定着しません。 この条約をきちんと国内法化するためにその国の法律として機能させるために監視する機関があります。 それが自由権規約委員会、これは自由権規約の中にそういう委員会を設けて監視しますと書いてあります。 その委員会は二通りあって、一つは政府の定期報告を受けて審査する制度。 もう一つは個人からの人権侵害の通報を受けてそれを審査する制度。日本は本体条約としての人権規約を30年前に批准しましたので、定期報告制度の義務があります。 ですから報告がなされそれに審査がくわえられます。 しかし個人通報の規定のある第1議定書は日本は批准していませんのでどんなに人権侵害があっても最高裁止まり。 外に持ち出すことができない、個人通報制度がないので国連に持ち出す権利がない、ということですが受ける側は監視する側はこの二つの仕事で大忙しという状況であります。
 この二つの制度は一つはその国全体の人権を審査するという大きな役割を果たし、もう一つは個人の人権を救済するという点で大きな役割を果たしています。 とても大きな役割を両方とも果たしています。


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