救援新聞・北九州版 2008年7月15日

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★ 目  次 ★
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 ■5万名会員を達成し,創立80周年,第54回全国大会を成功させよう
 ■平和・人権守る裁判勝利へ
  裁判勝利をめざす全国交流集会開かれる
 ■もっと知らねば,「裁判員制度」
  学習会に50名をこす参加
 ■裁判員フォーラムに参加して
 ■カンパありがとうございました


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■5万名会員を達成し,創立80周年,第54回全国大会を成功させよう
 国民救援会創立80周年を記念する第54回全国大会がいよいよ迫りました。 今回の大会には北九州総支部からA総支部長を先頭に、九州定温輸送のKさん、生存権裁判のFさん、引野口事件のKさん、いしずえ会のNさん、若松支部の代表と総支部事務局長のKさんの6人が参加します。
 大会成功をめざす拡大運動は福岡県本部、総支部とも前大会の会員数は突破しましたが、全国的には回復できていません。
 7月4日、5日開かれた中央常任委員会では「情勢は、国民救援会の出番を示しています。 私たちのたたかいで情勢をきりひらき、諸事件勝利の保障となる組織強化をすすめている時に、前大会より後退して80周年の記念すべき全国大会を迎える事はできない」と、会員のみなさんの奮闘を呼びかけています。
 是非大会成功をめざす拡大運動と代表派遣カンパにご協力ください。



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■平和・人権守る裁判勝利へ
 裁判勝利をめざす全国交流集会開かれる

「第18回裁判勝利をめざす全国交流集会」が6月29日〜30日静岡県熱海市で全国から170名の事件関係者、弁護士、支援団体の人々が参加して開かれました。
 この交流集会は全労連、自由法曹団、国民救援会3者の共催で毎年開催されているもので、今年の交流集会には北九州からは北九州第一法律事務所の新進気鋭の弁護士2人、九州定温輸送のKさん、引野口事件のKん親子、守る会のYさん、事務局のKさんの総勢7名に刑事事件分科会の基調報告をする黒崎合同堀津事務所のT弁護士が加わり大集団になりました。
 第1日目は主催者の問題提起を兼ねた挨拶、来賓(日本共産党参議院議員・N氏)挨拶に続き3つの特別報告がおこなわれ、記念講演・「裁判員制度のもとでどう裁判をたたかうか」をK関西学院大学教授が講演しました。 それから参加者は6つの分科会に分かれて経験を交流しました。

引野口事件のKさん親子特別報告

 1年間の裁判闘争での特徴的な事件がおこなう特別報告を今回引野口事件のKさん親子が行いました。 Mさんは支援のお礼を中心に述べ、Kさんは参加者に配布したレジメに基づき事件の概要から判決の内容、評価に加え、4年間のたたかいで痛感した刑事裁判を長期にたたかうことが大変なこと。 それを克服するためには当事者、弁護士、支援団体の団結が不可欠である事を詳しく報告し参加者に深い感動を与えました。
 その他国民金融公庫、イラク派兵差し止め総称の関係者が特別報告をおこないました。
 また、記念講演ではK教授は裁判員制度について「批判的容認」だと自分の考えを述べ、「この制度の導入によっていままでの調書依存、自白依存の刑事裁判を克服する契機にすることが求められる」と話されました。
 この記念講演については会場から活発な質問が出され、裁判員制度についての関心の高さが示されました。
 刑事事件の分科会ではT弁護士が引野口事件の報告を行い、参加者からはマスコミとの関係などについて質問が相次ぎ、多くの人に真実を知ってもらう事の難しさが浮き彫りになりました。
 また、労働事件の分科会では九州定温輸送のたたかいに多くの参加者から暖かいアドバイスが寄せられました。



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■もっと知らねば,「裁判員制度」
 学習会に50名をこす参加

 来年5月に始まる裁判員制度の学習会が6月24日、戸畑生涯学習センターで50人をこす参加で開かれました。
 学習会は、総支部の主催で刑事弁護に情熱を燃やすA弁護士を講師に開催されましたが、A弁護士は裁判員制度の流をれかいつまんで説明しました。 裁判員は刑事事件のみを担当し、3人の裁判官と6人の裁判員で構成し、多数決で量刑も決める。 その裁判員の選任は選挙人名簿から選ばれ、事件ごとに選任される。 小倉支部では年間50件くらいが裁判員制度の裁判になる。
 そして裁判員制度の裁判になって大きく変わることは、いままでの自白依存の調書裁判から「見て聞いてわかる裁判」ということで、弁論、証拠調べ、証人尋問、被告人質問など日本語がわかればわかる裁判に変えられる。
 また、捜査方法でも取り調べを可視化する事などがいわれているが、日弁連の「全面可視化」にたいし、検察・警察は「一部可視化」を主張している、等と話したあと、同時に被害者参加制度が施行される点も言及されました。
 この制度は、被害者の権利があまりに無視され、置き去りにされてきたという経緯から制定された制度ではありますが 、推定無罪という刑事裁判の原則とは矛盾する制度で、被害者が傍聴席でなく検察官の横に座られ、尋問、求刑もおこなうことができると説明されました。
 講演後、参加者から質問が相次ぎましたが、救援会若松支部のYさんは、「善意の国民が、世間から隔離された職業裁判官の常識を欠いた事実認定や判決を、市民が参加することによって是正できるのではないか、と期待しているが、いまのままでは裁判の中味はそのままに、国民の取り込みがおこなわれ、裁判批判が封じこめられてしまうのではと危惧を感じる。 特に公判前手続きに異議がある。 憲法第37条の公開の裁判を受ける権利に違反しないか。 取調べの可視化、代用監獄の廃止、検察証拠全面開示は実現するのだろうか。 それらが実現されないまま制度がスタートすると、裁判員がえん罪に加担させられることになるのでは」と質問しました。
 A先生は、取調べの全面可視化は絶対必要、公判前整理手続き、検察証拠の全面開示などは弁護士の資質も厳しく問われる事になると答え、新しい制度への監視を強めていく事の必要性を感じさせました。
 参加者の多くの人が「裁判員制度についてはほとんど知られていない、人の命にもかかわる制度なのだから、もっともっとこんな学習会を開いてほしい」という要望を述べていました。



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■裁判員フォーラムに参加して
 救援会の学習会に先立ち、5月25日福岡地裁小倉支部で開かれた「裁判員フォーラム」に参加してきました。
 裁判員裁判で使われる法廷が参加者でいっぱいになり、人々の関心の強さを感じました。 初めに裁判官から制度についての説明があり、続いて「事件発生〜証人調べ〜検察側主張〜弁護側主張」など再現映像を視ました。 そして小倉地検の検察官による論告求刑、地元の弁護士の最終弁論が行なわれ、それに基づき、参加者全員が、裁判員になって評議した後、有罪か?無罪か?を求められました。 提示された証拠だけでは、私は判断できず、「わからない」に挙手しました。 全体では、「無罪」1名、「有罪」「わからない」が半々くらいでした。 短時間の体験で「有罪」と判断した人が大勢いたことを恐ろしく思いました。 実際の裁判員裁判は、3日間ですが、しっかりした証拠が示されないままで刑を判断するのは、とても難しく、多数決ということにも不安が消えません。 えん罪をつくらないための、国民参加にしなければという思いが更に深くなりました。 機会がありましたら、みなさんも是非「フォーラム」に参加してみてください。
 (Sさん)




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■カンパありがとうございました
 男女差別の是正を求めてたたかってきた野村證券のKさんを支援する会から「闘いが終結して残ったお金の一部です」とカンパが寄せられました。
 また、現在病気療養中のS事務局長からお見舞いの一部です夏期カンパにしてくださいと送られてきました。
 有効に利用させていただきます。ありがとうございました。




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