救援新聞・北九州版 2008年2月15日

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 ■えん罪・引野口事件
  無罪判決もとめる市民集会開く
  氷雨のなか250名が参加,無罪を確信
 ■エトセトラ
 ■選挙弾圧・大石事件
  最高裁の不当判決許さず,たたかいは世界へ


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■えん罪・引野口事件
 無罪判決もとめる市民集会開く
 氷雨のなか250名が参加,無罪を確信

 3月5日に一審判決が予定されている引野口事件の「無罪判決を求める市民の集い」が2月3日、地元の八幡西区生涯学習センターで開かれました。 集会は、片岸兄弟を支える会、片岸みつ子さんを守る会、同事件弁護団が共同で開いたもので、あいにくの寒さと雨にもかかわらず、250名の人々が参加しました。
 主催者挨拶に続き報告に立ったA弁護士は、同房女性をスパイとして使った犯行告白のデッチ上げを根幹とする警察・検察の違法捜査と立証を厳しく批判、それに連なる法医学鑑定なども充分に反証できた。 無罪判決を確信していると力強く述べました。

松本サリン事件のKさん 警察の手口を詳細に講演

 松本サリン事件のKさんが「えん罪を無くす為に、私の経験と想い」と題して講演されました。
 Kさんはまず、「昨年のシンポジウムで母親救出のため真摯に活動する片岸兄妹に深い感銘を受け、すっかりファンになった」と一家でえん罪と闘ったKさんならではの片岸兄妹に対する思いやりのある激励で会場を感動で包み、自らの経験をもとに松本サリン事件での警察の手口とそれに対するKさんの対応を詳細に話されました。
 Kさんの講演は、そのままえん罪とたたかう学習のテキストにしても良いほど緻密で的確なもので、参加者にはまたとない学習の場となりました。
 また、引野口事件について「弁護団の最終弁論を読ませていただいたが、無罪判決を信じている」と述べ激励されました。
 この集会には、薬害肝炎福岡訴訟原告のKさんや新たに創刊された雑誌「冤罪File」で引野口事件を取り上げたフリージャーナリストのIさんも参加、連帯と激励の挨拶をおこないました。

「最後までご支援を」 和彦さんの訴え

 最後に挨拶に立った長男和彦さんは、事件発生以来のさまざまな出来事、火事から殺人、その中で母親が疑われている事など、出来るだけ事件に子供たちを巻き込むまいと努力されていた両親のこと、そして母親の逮捕、父親の自殺、家宅捜索、驚きと不安の日々、99%有罪だという刑事裁判の現実を知ったときの驚きなどを語り、「そんな私たち兄妹を支えてくださったのは、支える会の皆さんや救援会・守る会の皆さんでした。 3月5日には、なんとしても無罪判決を勝ちとりたい気持ちでいっぱいです。 その日までいっそうのご支援をお願いします。」と訴え、大きな拍手に包まれました。
 守る会では、最後の最後まで署名やハガキに取り組んでいます。 ご協力をお願いします。


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■エトセトラ
▽ 東京は10センチの積雪などの報道のなかで開かれた引野口事件の集会、松本から来られたKさんは前日大阪泊で駆けつけて下さる。
 ジャーナリストのIさんも「30分遅れでやっと飛行機が飛んでくれた。」と肩をなでおろしての参加。
 全国の多くの人の注目のなかで判決が出されます。 「絶対無罪だ」の声を裁判所にモットモット届けましょう。

▽ 引野口事件の集会に東京で発売されたばかりの「冤罪File」創刊号70冊が到着。 会場では瞬く間に完売。 引野口事件だけでなく、痴漢えん罪事件などえん罪事件の記事が満載されています。 是非ご購読を。

▽ 片岸典子さんのブログから
 庭の梅の木が咲き始めました。 毎年、庭の梅の木が咲くのが楽しみですが、その年ごとの心境によって感じ方が変わります。 母のいない3年の間は美しいものを見ても、心の奥までは届かずにいます。 心の穴が開いているようで受け止められないですねー。 この事は日常生活全てにおいて言えます。 桜の咲く頃には、少し違った感じ方が出来るのでは??楽しみにしています。

▽ 定温輸送の裁判が1月10日開かれ、木田元九州定温輸送取締役の証人調べと張り切って傍聴に駆けつけたが、新しい職場に事故発生とかで出廷できないと肩透かし、次回期日(2月28日午後2時)だけ決めて閉廷。 あなたの働くところの労働者の安全どうなってるの?

▽ 1月28日だされた大石裁判の最高裁判決、全文たった22行。 「公選法が憲法に違反しないことは判例で明らか」、「公選法が国際規約に違反しないと解される」と理由も示さない粗雑な判決。
 日弁連が国連カウンターレポートに大石事件を取り上げる。 闘いはいよいよ国際的な規模に。

▽ いま各地で上映されている「母べえ」「60年前の日本で、こんなひどい弾圧があり、それとしなやかに闘っていた日本人。 会員は絶対見て欲しい」と県本部常任委員会で見た人の弁です。


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■選挙弾圧・大石事件
 最高裁の不当判決許さず,たたかいは世界へ

 1月28日、全国から「判決期日を延期し、慎重審理を」の要請を無視して最高裁は、大石忠昭さんに「上告棄却」の判決を出しました。 北九州では1月24日、緊急の集会を開き抗議の要請文を送付し、判決にはKさんが参加しました。
 緊急集会で申し合わせた報告集会を左下のように行います。
 集会には最高裁の判決言い渡しに公判に参加した福岡第一法律事務所のI弁護士に報告していただくとともに大石忠昭さんもこられます。 多くの方の参加をお願いします。
 大石さんからお礼状とともに「みんなの高田」の1800号記念版が寄贈されました。 お礼状の一部を下記に紹介します。

お礼 大石 忠昭
 梅の花もほころび始め、春の気配を感じる季節になりましたが、国民救援会北九州総支部では、全国大会に向けての会員拡大や、人権、民主主義を守る活動などますますご活躍のことと思います。
 選挙弾圧大石事件では、不当逮捕された二〇〇三年五月三日以降、警察署・検察庁への抗議、不起訴、即時釈放要請など、裁判では地裁、高裁、最高裁への要請署名や上申書などご尽力いただきました。
 北九州では全国に先駆けて、初公判前に裁判勝利をめざす集会を開催してくださるなど、当初から運動をリードしていただき、さらには大分、豊後高田、福岡と何度も大勢で駆けつけていただき、みなさんの献身的な運動が被告の私や家族をどれだけ励ましたものか、いろいろと思い出すたびに感謝しています。 大変長い間本当にありがとうございました。
 みなさんの温かいご支援に支えられ、お蔭をもちまして、私も五年近く裁判をたたかうことができました。 長年の物心両面の大きなご支援に心からお礼申し上げます。 (中略)
 なんといっても、弁護団の大奮闘と、福岡高裁では大分地裁に続き全国十万筆の署名、六二回、三〇都府県から延四八〇人が駆けつけ、直接事務官に訴えてくれるなど攻勢的な要請行動、二月の市議選トップ当選などが裁判官の心を動かし、公民権停止を外すことができました。
 議席剥奪の権力の狙いを打ち砕く事ができ、これからも議員として活動を続ける事ができる事になり、こんな嬉しいことはありません。 もし高裁で外すことが出来なかったら、最高裁の「上告棄却」の不当判決で、私は議員を失職させられていたと思うと、ぞっと身震いがします。 あらためて議席を守れた喜びをかみしめています。 本当に長い間ありがとうございました。
 議席は守れたので、最高裁での闘いは攻めの闘いであり、(中略)、最高裁で闘い続けられる事を誇らしく思っていました。
 支援者に署名だけでなく「上申書」が裁判官に与える意義を訴え、私一人だけでも二〇〇〇筆は集めたいと張り切っていた矢先に、判決日の通知を受け、あの時は本当にショックでした。 最高裁は運動が広がる事を恐れて、早々と判決を下したのでしょう。 たたかわずして逃げられた、逃がしてしまったことが悔しいです。
 荒川さん、堀越さん、宇治橋さんの言論弾圧三事件も権力の狙いは同じだと思います。 仇を討ちたいです。 何としても三事件の全面勝利のために、そして来るべき総選挙での日本共産党の躍進、国民救援会の会員拡大で全国大会成功などの先頭に立って頑張る決意です。
 たたかいは、国連へと続きますが、私は議員としての活動と、選挙の自由や民主主義を勝ちとるために闘い続けたいと決意を新たにしていま
す。
 今後ともご指導ご支援よろしくお願いいたしまして、お礼の言葉といたします。
     二〇〇八年二月五日 

自由な選挙を求めて 判決報告集会
 とき :3月25日(火)18時30分
 ところ:戸畑生涯学習センター
 報告 :I弁護士,大石 忠昭さん


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