救援新聞・北九州版 2005年7月5日

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 ■「戸別訪問禁止は不当」、「言論・表現の自由は民主主義にとって最も重要」
  大石裁判・元国連人権委員エバットさんが証言、北九州から12名が傍聴参加
 ■「共謀罪」法務委員会で審議入り 反対の声を各政党に届けよう
 ■超監視・管理社、住基ネット、共謀罪学習会ひらく
 ■引野口放火殺人事件
 ■憲法を守る闘いは私たちの生きがい
  北九州いしずえ会総会開かれる

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■「戸別訪問禁止は不当」、「言論・表現の自由は民主主義にとって最も重要」
 大石裁判・元国連人権委員エバットさんが証言、北九州から12名が傍聴参加

 豊後高田市議大石さんの公選法弾圧事件の第二十二回公判が六月二十七日午前十時から大分地裁で開かれました。
 今回の公判は、大石裁判の最も重要な争点である「公選法の戸別訪問禁止規定が国際人権規約違反で無効」だという弁護団の主張を証明する一番重要な証人として元国連規約人権委員のエリザベスエバットさんを、弁護側証人として採用させ、証言していただいたものです。
 エバットさんは「大石氏が表現の自由を行使したために当選無効の制裁を受けることは,国際人権規約に違反する」と証言し,」規約の締結国である日本の裁判所が国連人権委員会見解を認識し尊重すべきであると明確に述べました。 また「表現の自由にたいする権利は,民主主義社会にとって最も重要で,その制約は最も制限的でなければならない」と述べ、戸別訪問についても「どこの国でも普通に行なわれていること」と述べ、文書配布、事前運動の禁止・制限についても制限する根拠がないなど,国際人権規約の精神を説明しました。
 この公判には全国から二二〇名の支援者がかけつけ,交替で傍聴しながら、街頭宣伝や交流を深めました。
 北九州から今までの最高の十二名が傍聴に参加しました。

参加者の一言感想
☆通訳を介しての証言なのでわかりにくいところもあったが、エバットさんがとても毅然としていた。 『世界の常識は日本の非常識』だと思った。日本国内の実情をもっと世界に訴えることが重要だと思う。

☆検察官、裁判官の尋問はエバットさんの格調の高い主張に対しレベルが非常に低いと思った。

☆全国各地から大勢来ているのに驚いた。

☆目がさめる思いがした。 『言論・表現の自由は何よりも大切だ』ということがよく理解できた。 カナダではビラまきを邪魔をすれば家主が罰せられるという話には驚いた。

☆午前中だけ傍聴したが、待機している会場で大石さんが集会で報告しているビデオを見せてもらった。 大石さんの素晴らしい活動がよくわかった。 大石さんは権力から狙われるべくして狙われたのだと思った。

☆とてもよかった。 自由な選挙について国際的に日本が批判されていると,その点をきちんと解明してくれた。

☆裁判官に条約を批准しているのだから守るようにするのは裁判官の仕事だと指摘されたのは嬉しかった。

☆いい勉強になった。 報告集会も素晴らしかった。 エバットさんの熱意に感動した。 エバットさんは日本の選挙の自由に長くかかわってくれていた。 日本の後進性が明らかになった。

☆すべて納得のいく証言だった。 規制は仕方がないという意見に『選挙はこうあるべきだ』という道を示してもらった。 規制についての理由は人権規約上成り立たないことも明白になった。

☆立派な方がわざわざ一地方の法廷に来てくれて,立派な見解を述べてくださった。 日本の選挙は余りにお粗末だと実感した。

 などなど世界の選挙は明るく、楽しく、のびのびが当たり前だということがよくわかったというのが全員の一致した感想でした。  

今後の公判日程
7月21日(木)10時〜:大石さん本人尋問
8月25日(木)11時〜:検察官論告求刑
9月29日(木)10時〜:弁護側最終弁論

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■「共謀罪」法務委員会で審議入り 反対の声を各政党に届けよう
 「話し会うことが罪になる」と全国で反対の声が強くなっている「共謀罪」が、六月二四日衆議院法務委員会で審議入りしました。
 この法案は「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」という長ったらしい名前で、「越境的組織犯罪防止条約」「サイバー犯罪条約」の締結に伴い,刑法や刑事訴訟法などを改正するという内容で、約560の犯罪について、実際に行動を起こさなくても犯罪行為を話し合っただけで罰せられるという悪法です。 日弁連なども反対の声明を出していますが、反対の声を各政党に届けましょう。

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■超監視・管理社、住基ネット、共謀罪学習会ひらく
 六月一八日小倉北区のムーブで「超監視・管理社会、住基ネット、共謀罪の学習会」を、北九州民主法律化協会,北九州マスコミ文化共闘会議,国民救援会北九州総支部、住基ネットを考える北九州の会4者の共催で開催、八七名が参加し熱心に学習しました。
 学習会は冒頭にビデオ「監視社会」を鑑賞、「共謀罪について」をS弁護士、「監視カメラについて」をM弁護士が講演しました。
 S弁護士は「共謀罪」の内容、その危険性,共謀罪成立後の社会、こころを探る捜査手段として盗聴,スパイの横行、などを具体的に話し、内心の自由の絶対的保障を守るためにも共謀罪の成立を阻止させることの重要性を強調されました。
 また,監視カメラについてM弁護士はまず監視カメラの設置状況、世界一カメラが多いというイギリスの現状を話され、犯罪は増えているか,監視カメラで犯罪が防げるか、と私たちが一番関心持っていることを次々に解明、監視カメラの規制はどうあるべきか、監視カメラをつけたがる側の倫理、監視社会,監視カメラの監視強化は精神的自由の侵食であり、政府批判封じと軍事化への道だとその危険性を強調されました。

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■引野口放火殺人事件
『毎日Aさんのことを取調官に報告していた』同房者、スパイ行為を証言

 「否認している被告人の留置場(代用監獄)にスパイ目的に同房者を入れ、そのスパイの供述が証拠に出来るのか」
 いま地裁小倉支部で審理がされている「引野口放火殺人事件」は同房者の「私はAさんがお兄さんを殺したといっているのを聞きました」という告げ口を証拠に裁判が行なわれています。
 被告人とされているAさんは、逮捕されてから一貫して、容疑の殺人放火を否認し続けていました。ところが警察は覚醒剤や窃盗、詐欺など、犯罪を繰り返して生計を立てている女性をAさんと同じ房にいれ、動向を監視させ、その女性に『犯罪を自白した』という話しをつくらせ、法廷で証言させるという異常な審理が行なわれています。同房者は毎日Aさんの様子を警察に報告していたことも証言。 弁護団は捜査の違法性を法廷で明らかにして闘っています。
 引野口事件は事件発生当初から地元で『Aさんの兄弟を支える会』が結成され、毎回の法廷は傍聴券が発行されるほど支援が強められています。 救援会として、地元の人々と力を合わせ『無実の人を無罪に』えん罪を許さないために、下記のように『真相を知る会』を開きます。
 異常な捜査で、逮捕から一年以上接見禁止がつけられ、子供さんとも手紙のやり取りも許されず頑張っているAさんと家族を激励し、支援の輪を大きくするために一人でも多くの方の参加を訴えます。

「引野口事件の真相を知る会」に参加を
 と き  7月26日(火)午後6時30分
 ところ  オリオンプラザ(予定)

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■憲法を守る闘いは私たちの生きがい
 北九州いしずえ会総会開かれる

 6月26日、北九州いしずえ会の第9回総会が若松区「浜風」で開かれました。
 小倉駅、八幡駅から送迎の車で「浜風」に到着した参加者は、海を望む部屋で2年間のいしずえ会の活動を総括、新たな方針と役員を決めました。
 それからは楽しい交流会、今年は救援会若松支部のYさんの司会で進行され自己紹介と、言いたいことを。 皆さん日本が戦争をする国へと大きく舵を切ろうとしているときだけに、平和を守る闘いについての発言が続きましたが、今年一月の北九州市議選で病気で倒れ、支持者の素晴らしい活動で当選することの出来たI市議のお母さんがその時の苦労とお礼を涙ながらに報告し、参加者も深い感動を覚えました。
 また、昨年合葬されたOさんの息子さんが参加され、お父さんの活動振りを参加者が色々話され「父は忙しくてほとんど一緒にいなかったので、はじめて聞くことばかりです」と多忙な活動家の家族の大変さを改めて思わされました。

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