救援新聞・福岡県版  2017年7月25日号

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★  目次  ★
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 ■九州北部豪雨 被災者を救援しよう!
 ■共謀罪法の成立で、弾圧とのたたかいへの関心が高まっています。
 ■冤罪で人生の大半を奪われても確信をもった生きかたを貫いている
  桜井昌司さんはすごい方と思いました。
 ■ご支援ありがとうございました。
  東洋食品争議、7月11日、和解で解決
 ■熊本・松橋事件の一日も早い再審開始をもとめて福岡高裁に要請しました。
 ■参加しよう! 参加をよびかけよう!
 ■声明:金田法相の死刑執行に抗議する


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■九州北部豪雨 被災者を救援しよう!
 7月4日、台風3号が大した被害もなく通過後の5日夕方から朝倉市、東峰村、添田町、日田市上空を「線上降水帯」が覆い、1時間に100ミリを超える記録的豪雨が降り、甚大な被害をもたらしました。
 7月19日現在、死者34人、行方不明7人で、2012年の豪雨災害を上回る被害がでています。 今のところ、国民救援会員で被害にあわれた方はいないようです。
 亡くなられた人のなかには福建労の組合員もいます。 また、民主商工会や農民連の会員で住宅・店舗被害や農地被害をうけた人たちがいます。 福岡、大分両県で、まだ826人(18日現在)が避難生活を送っています。
 北部九州豪雨被害者に救援募金などの支援をよびかけます。

北部九州豪雨被災者救援募金の送金さき
ゆうちょ銀行振込 10760−8−2966 日本国民救援会福岡県本部
*通信欄に「豪雨救援募金」と記入をお願いします。


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■共謀罪法の成立で、弾圧とのたたかいへの関心が高まっています。
 事件勝利のために、弾圧とたたかう心得の普及に国民救援会の役割と期待が高まっています。


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■冤罪で人生の大半を奪われても確信をもった生きかたを貫いている
 桜井昌司さんはすごい方と思いました。

 7月16日、布川事件国賠裁判をたたかう元布川事件被告桜井昌司さんの話を聞く集いが、福岡医療団労組の主催でひらかれ、同労組組合員や救援会員など20人が参加しました。
 桜井さんは、1967年8月、20歳の時に布川事件の犯人にデッチあげられ、29年間獄中で自由を奪われたなかで再審を請求し、2011年5月、再審無罪を勝ち取り、いま、事件をデッチあげた警察、検察の責任を追及する国賠裁判をたたかっています。 以下、参加者の感想から(要約・文責国民救援会)

★冤罪で逮捕されて警察が尋問するやり方が巧妙で被告の心が折れるまでやられる取調べの内容には恐ろしさを感じた。 警察、検察のやり方を見直さないと冤罪は繰り返される。欧米のように証拠を全て開示すべきだと思った。
 裁判所と検察の隠蔽体質が冤罪を生んでいる。 冤罪で人生の大半を奪われても確信をもった生き方を貫いておられる桜井さんはすごい方だと思った。
★桜井さんは、思っていたより明るい方だったことに驚きました。
 本当に長い間、冤罪を訴え続けて闘ってこられた方とはどんな人だろう、実際に会って話を聞けることはなかなかないので是非会ってみたいと思いました。
 警察が冤罪をつくる組織だと知っていましたが、お話を聞いて、裁判で闘うことをあきらめて泣き寝入りしている人はもっとたくさんいるのではないかと感じました。 そういうことがなくなる世の中になってほしいと思います。
★桜井さんの真実にこだわる姿勢に深い共感を覚えた。 間違ったことを間違っている、というのは人間の責務だ。
★改めて、警察、検察、裁判所のデタラメさを感じた。 狂った組織と桜井さんがおっしゃっていて、そのような組織が日本を牛耳っている今、共謀罪が成立してしまったことへの恐ろしさを今ながら感じる。 が、桜井さんが、「自分も変わったし、他の人も変われる」「共謀罪は恐れることはない。 冤罪で捕まったら、応援してくれる人が増える、ということ」という言葉は本当に心強い。
★真実を大切に冤罪をなくすために、できることをしていきたいと思います。


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■ご支援ありがとうございました。
 東洋食品争議、7月11日、和解で解決

 1年半に5回もの配転強要を拒否し解雇されたSさんらが、解雇撤回、未払賃金の支払いをもとめて2015年から裁判をたたかってきた東洋食品争議。
 7月11日、地裁小倉支部で和解が成立し、解決しました。 この間、ブラック企業の実態を暴き、労働者の権利をまもるきびしいたたかい、本当にお疲れさまでした。


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■熊本・松橋事件の一日も早い再審開始をもとめて福岡高裁に要請しました。
 7月13日、国民救援会の九州各県本部代表と松橋事件の地元代表9名は、昨年6月、熊本地裁で再審開始決定がだされたにもかかわらず、検察の即時抗告で福岡高裁に移って審理され、結審した松橋事件の再審開始決定を求める要請をおこないました。
 福岡県からは3人が参加し、K副会長とS事務局長が、それぞれ要請文を読み上げ、早期の開始決定を要請しました。
 6月28日、2度目の再審開始決定がだされ、検察が不当にも即時抗告した鹿児島・大崎事件は、高裁宮崎支部で審理がおこなわれますが、高裁宮崎支部は7月20日に弁護士、検察、裁判所による三者協議を7月20日にひらきました。 北九州から2人参加。
 これは異例の速さです。 90歳の原口アヤ子さんが元気なうちに再審無罪となるよう、高裁宮崎支部に、早期の再審開始決定を要請しましょう。


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■参加しよう! 参加をよびかけよう!
★JAL争議宣伝行動
 日時:7月28日 18:00
 場所:博多駅筑紫口
★倉敷民商弾圧事件 高裁岡山支部要請行動
 日時:7月28日 11:00
 参加希望者は連絡を
★NHKこれでいいのか?言いたい放題
 日時:7月29日 14:00
 場所:東区なみきスクエア
★T弁護士接見交通権侵害国賠訴訟 結審
 日時:8月16日 11:00
 場所:高裁
★福島原発被害者救済九州訴訟
 日時:8月23日 14:00
 場所:福岡地裁301
★第51回 国民救援会福岡県本部大会
 日時:9月24日(日) 
 場所:北九州市で開催


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■声明:金田法相の死刑執行に抗議する
 2017年7月14日
 日本国民救援会 会長

 金田勝年法務大臣は7月13日、2人の死刑を執行した。 国民救援会はこの死刑執行に強く抗議する。
 国民救援会は、戦前、拷問や残虐な刑罰の廃止を掲げて運動し、戦後は、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の死刑再審無罪事件をはじめ、不当な死刑判決など有罪判決を宣告された冤罪犠牲者を救出してきた。 現在も、無実の死刑囚、袴田事件の袴田巌さんの支援をしている。 他方、名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんが冤罪を晴らせぬまま無念の獄死をした。 熊本・菊池事件のように、支援していた死刑囚が無実を叫びながら死刑執行された苦い経験ももっている。 加えて、誤判だけでなく、国民救援会は、松川事件のように弾圧謀略事件で死刑を宣告された恐怖をみずからの体験として運動をすすめてきた。 人間のおこなう裁判に誤りがないという保障はなく、誤判による死刑はその悲惨さばかりでなく、回復不可能な事態を招くことになり、国家の名による犯罪行為といわなければならない。
 世界的には、自由権規約選択議定書等において死刑廃止の方向が打ち出され、国連総会においても、「死刑の廃止を視野に入れた死刑執行の停止」を求める決議が繰り返し採択されている。 また、自由権規約委員会や拷問禁止委員会は、日本政府に対して、「死刑制度廃止」への検討、及び死刑執行の停止を繰り返し強く勧告している。 アムネスティ・インターナショナルによれば、世界的には、事実上死刑を廃止している国を含めると140カ国と、国連加盟国の大半が死刑廃止国となっている。
 今回執行されたうちの1人は再審請求中であった。 再審は無実の人の救済や刑の誤りを是正する制度であり、再審を請求することは国民の基本的な権利である。 その再審請求中に死刑を執行することは、その権利を著しく侵害するものである。 金田法相は記者会見で「再審請求中であったとしても、当然に棄却されることが予想せざるを得ない場合は、死刑執行を命ずることもやむを得ない」と述べた。 しかし、再審を認めるかどうかは裁判所の判断によるものであり、法務大臣が判断することではない。 金田法相の再審制度を否定する発言は独断であり許されない。 
 国民救援会は、あらためて今回の死刑執行に強く抗議し、死刑廃止条約(自由権規約第2選択議定書)を批准し、死刑制度を廃止することを要求するとともに、当面、死刑の執行を停止し、政府が死刑廃止にむけて国民的議論を尽くすうえで必要な情報を公開するなどの措置をとるよう求めるものである。


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