救援新聞・福岡県版  2017年6月5日号 

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★  目次  ★
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 ■無実の人は無罪に!
  冤罪を生む共謀罪廃案
 ■人権と、民主主義をまもり「戦争する国」づくりに反対する
  国民救援会を強く大きく!
 ■映画「スノーデン」割引チラシあります
 ■あきらめない!
  差別を受けたまま終われない
 ■福岡における解放運動無名戦士合葬追悼会
 ■無実の人は無罪に!


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■無実の人は無罪に!
 冤罪を生む共謀罪廃案

 無実の人を救う全国いっせい行動に取り組みました。 1975年5月20日、最高裁が白鳥事件の再審請求審で「疑わしきは被告人の利益に」の刑事裁判の鉄則は再審にも適用される、という決定をだしました。 その後、免田事件など死刑四事件など多くの冤罪事件の再審請求に大きな影響を与えました。 毎年5月20日前後に宣伝行動に取り組んでいます。
 県下では、5月21日、福岡支部が天神で弁護士会の共謀罪反対市民集会の前に8人で、5月23日朝、遠賀中間支部と北九州総支部が海老津駅で9人で宣伝しました。

共謀罪には犯行現場も証拠もない
 共謀罪は犯罪が発生する前の「合意」段階を犯罪・処罰の対象にするので、犯行現場も物的証拠もありません。
 話したこと、メールやラインでの通信が犯罪とされるので、「現場」は一人一人の内心となり、その内容に不同意としても「共謀」になります。 警察の恣意的な運用で、誰でも犯罪者にされます。 犯行行為が発生してから捜査・処罰する近代刑法から逆行する法案です。

国民監視と自白強要が日常化する危険
 現場も証拠もない共謀罪を立証するために、警察は日常不断に国民を監視し、証拠もないのに警察があやしい、と思った組織や人物を捜査、逮捕し、「自白」を強要することが日常化することになります。

共謀罪の冤罪を晴らすことは困難に
 これまで多くの冤罪犠牲者は無罪となって社会に帰ってきました。 それは、自白があっても、自白が犯行現場や証拠と矛盾するなど、有罪判決の間違いを証拠で明らかにできたからです。 しかし、共謀罪には犯行現場も証拠もなく、通信による共謀ではアリバイ(所在地)は必要とならないので、冤罪を晴らすことが困難になります。こんな法律を成立させてはなりません。

共謀罪は参院で廃案に
宣伝・署名で反対世論をひろげよう!

 いま、「共謀罪」法案の廃案をめざして、県下各地で宣伝・署名活動が旺盛に取り組まれています。
 2月はじめの宣伝ではあまり関心がなかった天神でも、徐々にビラの受け取りもよくなり、衆議院強行採決後は、署名も増え、「とんでもない法律だ」「アベはけしからん」「強行採決されたけど大丈夫ですか」「私は80歳を過ぎています。 戦時中に戻るのはイヤ」など話しかけてくる人も多くなり、法案に対する関心の高まりを実感します。 参議院で廃案にするために、いま自分にできる行動を起こしましょう。
 福岡県民実行委員会は毎週金曜日17時30分から博多駅前で宣伝行動(6.2 6.9 6.16)、自由法曹団は天神パルコ前で6月8日、12時15分宣伝行動を行います。5月21日、市民集会をひらいた県弁護士会は6月中旬にも集会を計画しています。

共謀罪反対、憲法まもれとたたかう
仲間に入会を訴えよう!

 5月1日から7月31日までの、「会員拡大集中期間」がはじまりました。 来年迎える創立90周年までに全国5万人会員にする「会員拡大集中期間」です。
 北九州総支部は、メーデーや憲法集会で署名コーナーを設け、協力者に入会をよびかけ、入会しました。 福岡支部では、O副支部長とU常任委員が組で団体を訪問して拡大をはじめ他の役員がこれまでの運動で知り合った仲間に訴え入会者を迎えています。(5.27現在)
 友人・知人に入会をよびかけましょう。

中央本部表彰基準の3人、10人拡大にチャレンジしませんか。


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■人権と、民主主義をまもり「戦争する国」づくりに反対する
 国民救援会を強く大きく!

 いま、国民救援会が果たす役割が大きくなっています。 期待も寄せられています。


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■映画「スノーデン」割引チラシあります
 6月17日(土)@11:00  A14:00
 アミスカ(福岡市南区)


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■あきらめない!
 差別を受けたまま終われない

明治乳業争議団
 2月の中労委決定は差別是正請求を却下しましたが、昭和40年代から不当労働行為、賃金・昇格差別があったことを認め、会社に「大局的見地」から解決を求める「付言」をつけました。
 福岡争議団は、この命令を生かし、早期解決を会社にせまる九州工場(八女市)長要請(4.28)を行い5月27日には博多駅前で宣伝行動をしました。
 中労委命令の取り消しをもとめる民事訴訟の第一回弁論が5月29日に始まり、争議団は29日から31日まで、本社前座り込みなど会社への早期解決を要請する行動を行います。

憲法25条はすべての国民のものだ!
年金切下げ違憲訴訟

 5月9日、年金切下げ違憲訴訟の第7回口頭弁論がひらかれ130人を超える傍聴者が法廷を埋めました。 原告の陳述で「夫婦二人の年金でも生活が苦しいのに、どちらかが一人になった生活は想像さえできない」などと訴えました。

生活保護引下げ違憲訴訟
 5月15日、第8回口頭弁論がひらかれ、満員の傍聴者が見守るなか原告は「何とか生活ができ、医者にもかかれる生保制度をありがたく思う。 弱者をいじめないで、人間らしく、せめて少しくらいの喜びを持って生きていける社会にしてほしい」と陳述しました。

九州建設アスベスト訴訟
 5月22日、第7回口頭弁論がひらかれました。今回から証人尋問に入り、最初に医師の尋問がありました。
 高裁の審理もすすみ、今秋には東京高裁で判決(横浜地裁ルート)がだされます。 署名などの取組を呼びかけます。


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■福岡における解放運動無名戦士合葬追悼会
 6月4日 13:00ふくふくプラザ5階


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■無実の人は無罪に!
再審開始を勝ちとった
熊本松橋事件

 1985年、熊本県松橋町(現・宇城市)で起きた殺人事件の犯人とされたMさん(84歳)に対し、昨年6月、熊本地裁は再審開始の決定を出しました。 決定では、凶器とされている小刀では被害者の傷はできないという弁護側鑑定や、Mさんが「血がつかないように小刀の柄に布を巻いて、燃やした」と自白していた、その布を検察が保管していたことが明らかになるなど、Mさんの「自白」は信用できないと認定されました。
 検察が不服を申立てたため、現在、福岡高裁で審理がつづいています。

決定が予想される
鹿児島・大崎事件

 鹿児島・大崎町で起きた「殺人」事件の犯人とされたHさん(89歳)。 一貫して無実を主張し、再審を求めて、鹿児島地裁で審理中です。
 有罪判決では、殺害方法をタオルで首を絞めて殺した(絞殺)としていますが、弁護団の依頼した医学鑑定の結果、@絞殺ではない、A事故死の可能性があることが明らかになりました。 亡くなった男性は、自転車で酒に酔って側溝に落ちていたところを救出され、その後、死体で発見されました。
 Hさんは、「冤罪を晴らすまで死んでも死にきれない」と訴えています。
 現在の裁判の状況は、弁護団・検察双方の最終意見書がだされて、決定がいつ出されてもおかしくない状況です。

再審開始決定に対する検察の不服申立を禁止せよ!
 名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんは、1審無罪判決でした。 しかし、検察が控訴して一転死刑判決。 そして、一度は再審開始決定(2005年4月)が出たにもかかわらず、検察が不服を申立て再審開始決定が取り消され、半世紀にわたって無実を叫びつつ獄死させられました。
 現在、袴田事件の袴田巌さんは81歳、松橋事件のMさんは84歳、大崎事件のHさんは89歳です。 皆さん、一度再審開始決定を勝ち取ったにもかかわらず、検察の不服申し立てで審理が長引き、命をかけたたたかいを強いられています。
 先進諸国では、無罪判決、再審開始決定への検察の不服申立ては禁止されてします。 こんな非人道的な制度は直ちに禁止するべきです。 裁判所も認めるべきではありません。

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