救援新聞・福岡県版  2016年9月15日号 

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★  目次  ★
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日本国民救援会福岡県本部第50回大会議案

 ■日本国民救援会福岡県本部第50回大会のご案内
 ■はじめに
 ■第一章 救援運動をめぐる情勢
 ■第二章 事件の勝利をめざす運動
  事件の取り組みと現状
  倉敷民商弾圧事件の運動
  冤罪・再審事件
  大崎事件


■日本国民救援会福岡県本部第50回大会のご案内
 日本国民救援会福岡県本部第50回大会を上記のとおり開催いたします。
 安倍政権が「戦争する国」づくりに暴走するなか、戦争法廃止、立憲主義と民主主義、人間の尊厳をとりもどす広範な国民のたたかいは、参議院選挙で歴史上はじめて全国的に野党統一候補を擁立し、勝利の展望を切り開き前進しています。
 このとき、人権と民主主義のためにたたかう国民救援会の役割と責任は大です。 人権と民主主義を尊重する社会が正義と平和の基礎になることは歴史の教訓です。
 第50回大会に役員や事件関係者、人権と民主主義、平和を愛するみなさんが積極的に参加いただきますよう、ご案内申し上げます。
 2016年9月15日   日本国民救援会福岡県本部 会長
 
日本国民救援会福岡県本部 
 〒810-0041 福岡市中央区大名2-2-51-403 092-713-0144

日本国民救援会福岡県本部第50回大会
 日 時  2016年9月25日(日) 10時30分〜16時30分
 ところ なみきスクエア(東市民センター) 第一会議室
      福岡市東区千早4-21-45 JR千早駅西口 092-674-3981


■はじめに
 日本国憲法前文は、政府の行為によって再び戦争の惨禍を繰り返さない決意と国民主権のもと人権尊重と民主主義の理念をうたい、それは「人類普遍の原理」にもとづくもので、これに反する「一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」と、憲法の根本理念を否定する「改正」の無効を宣言しています。
 安倍首相が「国民に示している」という自民党の「日本国憲法改正草案」がめざす日本は、「天皇を戴き、国防軍は戦争に加担し、国益が優先され、国民の基本的人権を抑圧する国」であり、憲法の根本理念を否定し「人類普遍の原理」に逆行するものです。
 いま、「人類普遍の原理」の憲法をまもるのか、逆行する自民党改憲案を許すのか、「戦後最大の岐路に立ち、安倍政権と国民が激しくぶっかりあっています。」(大会決定)
 このような情勢のなかで福岡県本部第50回大会は、第58回全国大会決定にもとづき、@この1年間の活動を総括し、救援運動をいっそう前進させる方針を決定し、Aその決定を推進する役員を選出します。

■第一章 救援運動をめぐる情勢
 「戦争法、原発、TPP,秘密保護法などのたたかいが一つになって、『アベ政治を許さない』とのスローガンに象徴されるように、安倍政権の悪政に反対する共同にたたかいへと発展しています。」(全国大会決定)その「共同」は、7月の参議院選挙で「野党と市民」共闘を実現し、広範な国民に展望と確信をあたえています。
 真実をもとに「無実の人に無罪を」など人権をまもる一点で多くの団体や個人と共同して救援運動をすすめてきた国民救援会のたたかいの歴史と伝統を活かすときです。


■第二章 事件の勝利をめざす運動
 第58回全国大会は、裁判所に「憲法の番人」としての役割を求め、事実と道理の世論で良心にもとづく裁判をもとめる大衆裁判闘争の重要性を強調しています。
 救援新聞県版で事件や裁判の状況、裁判や行動の日程などを掲載し、事件への救援運動に参加を呼びかけてきました。県本部に支部、団体、会員などから寄せられた署名は、それぞれ関係者へと送りました。

事件の取り組みと現状(順不同)
★ 後藤クリニック不当解雇事件 地裁で和解 Tさん
 2013年、解雇を撤回させ職場復帰。しかし、病院は不当な理由で14年6月再び解雇。 2度目の解雇撤回裁判をたたかい16年2月、和解が成立。 新たな職場で働いています。

★ 安川電機・Uさん再雇用請求裁判 高裁で和解 Uさん
 安川電機に27年2ケ月と再雇用3年働き、再雇用満期2年を残して雇い止めされたUさんは、高齢者再雇用安定法に基づき65歳まで雇用をもとめて提訴。 地裁の不当判決後、「JMIU安川合同支部」「Uさんを再雇用させる会」は団体交渉、会社門前宣伝、株主総会での発言、全国への署名要請などたたかいをひろげてきました。 7月15日、高裁で和解成立し終結しました。 県本部も連名で各地に署名要請しました。

★ ツクイ・Nさんマタハラ裁判  判決 10月21日(金) 13:10
 ツクイ介護職員のNゆかりさんは妊娠を機に、会社に働き方の相談をしましたが、「妊婦として扱うつもりはない」などのマタハラ・パワハラを受けうつ病に。
 慰謝料をもとめ提訴。 4月19日、地裁は、元営業所長によるNさんへの妊婦労働者としての人格侵害やツクイの使用者責任などを求めましたが、Nさんへの謝罪はなく慰謝料も不当に安いものでした。
 双方控訴で、8月24日の1回で結審、判決は10月21日

★福岡市民病院渡Wさん雇止め撤回裁判 判決10月24日(月)15:00
 2014年3月、特段の理由も示すことなく突如雇止めされたWさんは、雇止め撤回もとめ提訴。 2016年4月22日、福岡地裁は、「有期雇用は病院の都合で雇用している」から「職員には雇用継続の合理的期待理由はない」との「すざまじくひどい判決」(弁護団)でした。 病院の都合でいつでも雇い止めできる、という許しがたい判決の控訴。
 8月1日、第一回控訴審、即結審し、判決が10月24日に指定されました。

★九州建設アスベスト訴訟 高裁 
 地裁の判決を受けて、控訴審で、@原告職種と建設のシュア、特質などを詳細に調査すれば原告被害の原因建材(病因建材)が特定でき企業責任を認めさせられる。 A国は一人親方にも労災への特別加入制度をつくり、作業実態が危険なことを知っていながら何の対策も取っていない、として製造業の責任と一人親方の救済実現をめざしています。 16年1月、京都地裁は製造業の責任を認める判決をだしました。
 この間、200万人署名や政府への要請など法廷外での運動もつよめています。

★ 新日鉄住金コークス肺がん訴訟 高裁
 新日鉄八幡製鉄所洞岡コークス工場を退職後肺がんで亡くなった労働者の遺族が、在職中の安全義務違反に損害賠償と遺族補償をもとめて提訴。 16年4月14日の地裁は、「原告が勤務していた当時、会社に安全配慮義務は予見できなかった」として、請求棄却。
 新日鉄八幡製鉄所のコークス工場の肺がんは、74年には労基署も労災と認めています。 原告と「新日鉄住金コークス肺がん訴訟を勝たせる会」は控訴。 第1回9月26日10:00

★西日本石炭じん肺訴訟 高裁
 1979年10月に北松じん肺訴訟からはじまった炭鉱労働者のじん肺犠牲者救済の裁判は、この間、解決方法を確立。 しかし、日鉄鉱業だけは全て最高裁まで争い、救済を遅らせる反社会的行動をとっています。 9月26日16:00、第10次高裁判決(42回目の勝訴予定)

★ T弁護士接見交通権侵害国賠訴訟 高裁
 接見した弁護士が拘置所で受けた被告人の暴行痕の傷を証拠保全に、携帯電話で撮影。
 すると拘置所職員が画像消去を強要。 弁護権と接見交通侵害と提訴。 地裁判決は、「証拠保全は接見交通権に当たらない」「刑事施設の秩序維持」を理由で請求棄却。現在高裁で審理中(次回10月26日14:00)国民の弁護人依頼権と弁護士の接見交通権など刑事裁判の根幹にかかわる裁判です。 裁判の内容を広く知らせ、支援を強めます。

★ 司法修習生給費制度廃止違憲訴訟 福岡地裁
 2011年、政府の司法修習生給費制度廃止は憲法違反と、13年8月給費制度の復活と制度の充実をもとめて司法修習生が提訴 次回11月1日10時〜16時 証人原告尋問
 立憲主義の社会にとって法曹は三権の一角を担うもので、国民、国家が法曹を養成することは社会的要請です。司法修習を充実させるために給費制を求めます。

★ 東洋食品不当解雇撤回・未払い賃金支払い請求裁判 Sさん 地裁小倉支部
 Sさんは、全国にスーパーマーケットなど300店を超える店舗で惣菜を製造販売する東洋食品(本社・門司区)で解雇前の1年4カ月の間に大分から広島から山口から福岡から地域内移動から佐賀と5回の配転・移動命令を受け、5回目の配転命令時に、会社のパワハラ、未払い賃金などを訴え、配転を拒否。 すると翌日に解雇されました。 同社はブラック企業で、未払い賃金請求などを大分や北海道でもたたかっています。 裁判は証人尋問がはじまります。

★ 生活保護基準切下げ違憲訴訟(新生存権裁判) 福岡地裁
 厚生労働省は2013年8月から2015年4月までに生活保護基準を平均6.5%、最大10%の引き下げを強行。 @元々、生活保護基準以下の階層の人たちと比較していること、Aノートパソコンやカメラなど生活保護利用者とは無関係な物価が下がった、ことなどを理由にした不当なものです。
 生活保護基準の切下げは憲法25条違反と、地裁でたたかっています。

★ 年金切下げ違憲訴訟  原告 149人 福岡地裁
 厚生労働省は10年以上も前、物価が下がった時に年金は下げなかった、いわゆる「特例水準」の解消を理由に、2013年10月からすべての公的年金を1%引下げたのを皮切りに、3年で2.5%の年金を引下げました。 そして、今後30年近くにわたって年金を切り下げる「マクロ経済スライド」を発動しました。 年金者組合を中心に、憲法25条の国民の権利を実現し、国の社会保障義務を果たさせるため、切り下げ決定の取り消しをもとめています。
*福岡県では、両事件の支援組織、「生活保護基準引下げ・年金引下げ違憲訴訟を支援する福岡の会」(いかんよ貧困・福岡の会)が結成せれ、県本部も加入しました。

★ 北九州交通局嘱託労組と自交総連地協は賃金未払い請求
 北九州交通局嘱託労組と自交総連地協は賃金未払い請求をたたかい(地裁)、国立から独立化した病院の不当労働行為を全医労は県労委でたたかています。 北九州学校給食労組は、民間委託による嘱託職員266人の一方的雇止めをくい止めました。

★ 九州玄海原発差し止め訴訟 佐賀地裁
 川内原発が再稼働したなか熊本地震の発生で危険性がさらに身近になりました。 原告が1万人を超え、各地で廃炉をめざす街頭行動も粘り強くすすめられています。
 一方、福岡地裁では、福島原発事故で九州に避難した人たちが賠償をもろめて原発被害者救済九州訴訟をたたかっています。 また、高裁では、元原発労働者梅田さんが被ばくによる労災をもとめてたたかっています。

★ マイナンバー違憲訴訟 福岡地裁
 国が全国民に12桁の番号をつけ、個人情報の検索で国民を監視・管理するマイナンバー法が16年1月から施行されました。16年3月、国にマイナンバー収集や利用の差止めとマイナンバーの削除と損賠賠償をもとめて提訴。 プライバシ―と人間の尊厳をまもるたたかい。 原告を募集中

★ 明治乳業賃金・昇格差別事件 中労委
 1960年代70年代に労働運動や民主運動に参加し、賃金・昇格差別を受け、「差別を受けたまま人生を終われない」と職後もたたかいつづける明乳争議団。 たたかいの最終盤、中労委での決定が間近です。 福岡工場申立て人3人は、明乳九州支店やみずほ銀行福岡支店前で宣伝をつづけてきました。 9月に全国総行動が取り組まれ全力をあげています。

★ JAL不当解雇事件
 2010年12月31日、165名が整理解雇され、2015年2月最高裁の不当決定で裁判闘争は終結しましたが、ILO勧告(労使の意義ある対話)などを生かし、会社に早期解決を追っています。福岡市在住のSさんは毎月の宣伝、集会などでの訴えと物販と奮闘されています。 「福岡支援共闘会議」が2011年1月に結成され活動しています。

倉敷民商弾圧事件の運動
 2014年1月、2月、倉敷民商事務局員が法人税法違反・税理士法違反(Nさん)と税理士法違反(Oさん、Sさん)で逮捕、起訴されました。 会員同志学習、協力して、自主記帳、自主申告をすすめる民商活動そのものに対する弾圧です。
 裁判は、強制的進行でOさん、Sさんの税理士法違反が最高裁で、Nさんの裁判が岡山地裁でたたかわれています。
 4月22日、Nさんを迎えて「倉敷民商事件、無罪を勝ち取る福岡の会」が結成されました。 福岡県での支援運動の中心となって運動をすすめます。
 10月1日、倉敷市で集会と現地調査がおこなわれます。 代表を派遣します。

冤罪・再審事件
 9月10日、大阪地裁は東住吉冤罪事件の再審裁判で、元被告2人に無罪判決をだしました。 判決は、自白強要の取り調べを強く批判しています。 袴田事件は、地裁での再審開始決定に対する検察の不当な即時抗告審が続いています。 名張毒ぶどう酒事件は第10次の再審請求がはじまりました。
 6月30日、熊本・松橋事件に再審開始決定が出されました。 無実の証拠を検察が隠していたことが判明し、「自白」の信用性を否定しました。 県本部は、1月16日の支援集会、3.3要請行動などに参加しました。
 検察が不当にも即時抗告し、たたかいは福岡高裁に移り、8月30日から三者協議がはじまりました。 事件学習会をひらき、高裁での支援運動を強めます。 回11月24日16:00

大崎事件
 第3次再審請求の三者協議が大詰めを迎えています。 10月17日第17回現地調査に、2.21決定集会に参加しました。 10月15日、16日の現地調査を派遣します。

四 救援運動に参加しょう、参加を呼びかけよう
 12月2日、福岡支部は福岡南法律事務所の協力で名張毒ぶどう酒事件の記録映画「約束」の上映と池田慎弁護士の「冤罪をなくすために」の講演会をひらきました。
 3月12日、2016年裁判・争議の勝利をめざす春のつどい、を開催しました。 12事件、が参加。 たたかいを交流し、連帯を深めました。懸谷県労連副議長が「労働者の貧困」について報告しました。 今年度も事件当事者と共同して開催します。
 7月24日、遠賀中間支部は、「冤罪をなくそう・バーべキュー大会」を開催しました。 新鮮な魚介に舌鼓をうちながら会員の交流を深め、憲法改悪阻止や救援運動の前進を確認しました。 参加した2人が入会しました。

 会員の意見や要望などを生かし、会員参加の救援運動をすすめていきます。





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