救援新聞・福岡県版  2016年1月25日号 

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★  目次  ★
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 ■辺野古で見て聞いて座込み、抗議した!
  沖縄・辺野古現地報告
 ■無名戦士合葬追悼会
 ■裁判傍聴、集会などに参加しょう!
 ■ハンセン病特別法廷と司法の責任 シンポジウーム
 ■大崎事件 再審をめざす市民集会
 ■警察・検察が無実の証拠を隠し、Mさんを犯人にデッチあげ
  .松橋事件の再審開始を
 ■倉敷民商事件・無罪を勝ち取る福岡の会結成準備会
  ..倉敷民商・O事務局長が支援・協力を訴え
 ■冤罪の原因は「自白の証拠価値の異常なまでの高さ」


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■辺野古で見て聞いて座込み、抗議した!
 沖縄・辺野古現地報告

 K副総支部長・県本部副会長

 1月5日〜8日、昨年結成された「辺野古埋め立て土砂搬入反対北九州協議会」の「沖縄ツアー」に参加しました。
 行動前に「新基地建設反対名護共同センター」で学習、この学習がとても役立ちました。 翌6日は、埋め立てられようとしている生物多様性の宝庫・大浦湾の資料館を見学、そして、新基地建設反対の抗議船・平和丸に乗船させてもらい海上の抗議行動と海上保安庁の妨害行動を目の当たりにしました。 目の前で、抗議のカヌーが拘束され陸上に曳航される様子は「誰の海だ」という怒りがふつふつと湧くのを止められませんでした。
 ヘリパット(ヘリコプター着陸帯・実はオスプレイ着陸帯)建設反対で座り込みを続けている東村高江では、豊かな自然を守ろうと頑張っている闘いにふれ、「やんばるの森」の素晴らしさを実感しました。 つづいて埋め立てに使われる本部(もとぶ)の砕石場を見学しました。
 翌7日は、早朝6時ホテルを出発し、キャンプ・シュワブゲート前での座り込みに参加。 前日来沖した警視庁機動隊130人が座り込み隊と対峙、「かかれ」の命令とともに座り込んでいる一人ひとりを抱えてごぼう抜き。 一緒に参加した女性は涙が出て立ち上がれないほどのショックを受けていました。 彼女は「とても怖かった、憲法を守ると宣誓して公務員になったのに、憲法違反をしている機動隊は許せない」と集会で発言し、参加者から大きな拍手を受けました。
 8日は、那覇地裁での「辺野古代執行裁判」の「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」による激励集会に参加しました。
 目まぐるしく充実した4日間の旅でしたが、改めて日本国憲法より安保条約が優先されている沖縄の現実を見せつけられた思いです。 「戦争法廃止」のたたかいに全力をあげることが沖縄県民と連帯したたたかいになるということも実感しました。

 *政府は、辺野古新基地反対運動の弾圧経費として1日1200万円を使用
 (12.6 赤旗)

▼シュワブゲート前抗議に対する暴力的弾圧の不起訴要請に協力ください
・要請先 〒900-8578 那覇市桶川1-15-15
      那覇地方検察庁 検察官 茂木潤子殿
・要請文 シュワブゲート前でのS氏らへの不当弾圧を不起訴にされるよう要請します


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■無名戦士合葬追悼会
 無名戦士合葬追悼会に平和と民主主義のために活動した故人の推薦をお願いします。
 推薦の締切りは1月31日です。 不明な点は国民救援会に問い合わせください。


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■裁判傍聴、集会などに参加しょう!
★生活保護基準切り下げ違憲訴訟

 1月25日(月)11:30
 福岡地裁301
★JAL争議 街頭宣伝
 1月27日(水)18:00
 博多駅筑紫口
★JAL争議学習会
 ILO勧告をどう活かすか
 1月27日(水)18:45
★後藤クリニック慰謝料請求・地位確認事件
 2月02日(火)13:30
 地裁小倉支部
★年金切り下げ違憲訴訟
 2月02日(火)13:30
 福岡地裁301
★なくそう原発 原告1万人フェスティバル
 2月06日(土)12:30
 福岡国際会議場
★安川電機・Uさん再雇用裁判
 2月08日(月)11:00
 福岡地裁
★ツクイ・マタハラ慰謝料請求事件
 2月09日(火)13:10
 結審
 地裁小倉支部
★司法修習生の給費制廃止違憲訴訟
 2月09日(火)13:30
 福岡地裁301
★伊波洋一講演会
 2月14日(日)13:30
 福岡国際会議場
★福岡市民病院雇止め撤回裁判
 2月19日(金)13:30
 結審
 福岡地裁301
★大崎事件再審請求を求める市民集会
 2月21日(日)13:30
 鹿児島・婦人会館


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■ハンセン病特別法廷と司法の責任 シンポジウーム
 ハンセン病患者の裁判が「感染の恐れ」を理由にして、国立療養所内や医療刑務所などに設けられた「特別法廷」で、事実上非公開で差別的に行われていた問題で、最高裁は検証を続けています。 無実を訴えつづけ死刑執行された「菊池事件」も特別法廷で行われています。 最高裁は指定した特別法廷113件の内95件がハンセン病を理由にしたもの。
 ハンセン病国賠裁判で立法府と行政の責任は明確にされましたが、司法の責任は問われていません。 福岡弁護士会は下記のとおりシンポをひらきます。 多数参加を!

とき 2月13日(土)13:00
ところ 県弁護士会(裁判所裏)
・基調講演 T弁護士(菊池事件再審弁護団)
・ゲスト U九大名誉教授
・パネリスト U九大名誉教授 Y弁護士(菊池事件再審弁護団)
 S氏(菊池恵楓園入所者自治会長)
・コメンテーター 江田五月参議院議員


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■大崎事件 再審をめざす市民集会
 2月21日(日)鹿児島市婦人会館
 参加希望者は事務機局まで連絡ください


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■警察・検察が無実の証拠を隠し、Mさんを犯人にデッチあげ
 .松橋事件の再審開始を

 1月16日、松橋事件再審請求・緊急支援者集会が、松橋町でひらかれ福岡県から7人が参加しました。
 M(当時51歳)さんは、1985年1月夜、被害者宅で知人らと宴席中の口論で殺意をいだき、いったん自宅に帰り、切り出し小刀を持ち出し、被害者宅に戻り被害者の首を中心に十数回突き刺し殺害(死因は頸動脈創傷による失血死)した、と懲役13年を受けた事件です。 しかし、犯行を証明する物的、客観的証拠は何一つありません。
 再審請求の審理のなかで、検察は、Mさんの無実を証明する証拠を隠し、起訴し、有罪を求刑していた、という実態が判明しました。 松橋事件は警察・検察の犯罪です。
 (1)首を突き刺す時に小刀に巻き、犯行後風呂で燃やした、とされた布切れが、検察から出てきて、しかも血痕の付着がなかったことを検察は知っていた。
(2)「秘密の暴露」とされた民家の電気点灯については、事前に住民が捜査官に話していた記録があり、捜査官は「自白」の前にすでに知っていた。
(3)犯行後通った部屋に血痕の記録がない実況検分図とは別に血痕の記録がある検分図が別にあり、図面が変更されていた疑いがある。 など、無実を証明する証拠が隠され、「自白」のみでMさんは犯人にデッチあげられたことが明白になっています。 3月までには再審について決定がだされます。 集会で県本部から72筆の署名を提出しました。 引き続きご支援をよろしくお願いします。

「捜査当局のDNA鑑定の恣意的利用」を断罪
 1月12日、高裁宮崎支部は、強姦事件の裁判で、捜査当局がDNA鑑定資料メモなどを廃棄していたことなど、証拠の恣意利用を厳しく断罪しました。 松橋事件でも証拠を恣意的に利用いることがあきらかになっています。 ただちに再審をひらき、事実をあきらかにすべきです。


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■倉敷民商事件・無罪を勝ち取る福岡の会結成準備会
 ..倉敷民商・O事務局長が支援・協力を訴え

 1月13日、福商連会議室でひらかれた準備会には、事件当事者の倉敷民商のO事務局長が参加し、事件の経過と裁判の現状を報告。 会議では、今年の重税反対行動を成功させ、4月22日(予定)に「会結成」をめざすことを確認しました。
 会議で、県本部によせられた、公正な裁判を求める署名48筆を渡しました。
*申告納税制度をまもり抜くたたかいです。引き続き署名などにご協力を!


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■冤罪の原因は「自白の証拠価値の異常なまでの高さ」
 I弁護士・福岡南法律事務所
 これから「約束」という映画を観るわけですが、この映画は、1961年に三重県名張市で発生した「名張毒ぶどう酒」事件を題材にしたものです。
 この映画は、冤罪、すなわち奥西勝さんは無実である可能性が極めて高いといわれています。 どうして奥西さんが無実なのか、それについては、これからじっくり映画をご覧になって、皆さんの目で確かめてください。 私がお話ししたいのは、どうして無実の奥西さんが有罪になってしまうのか、すなわち冤罪の原因は何なのかということです。 これを一言で言ってしまうならは、「自白の証拠価値の異常なまでの高さ」ということになるとおもいます。自白とういのは、「自分に不利な事を、事実と認めること」です。 つまり「自分が犯人です」と認めることですね。
 捜査機関は自白を強く迫ります 。なぜ、捜査機関は自白させたがるのかというと、自白は、裁判官から、証拠価値が極めて高いと認識されているからなんです。 裁判官の大半は、「まさか自分がしてもいないのにしたとうい人間なんてこの世にいるはずがない。 自白するのは犯人だからに決まっている。」と信じて疑わないのです。 日本国憲法38条3項には、「何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。」とはっきり規定されています。 つまり、本人の自白なんて当てにならないよ、と憲法はお見通しなんです。 なのに、これが裁判官の頭の中では形骸化してしまっているわけです。
 裁判官がこんな考えを持っていることから、捜査機関は、あの手この手を使って、自白をさせます。 不当に長時間取り調べをしたり、自白するまで身柄拘束を続けたりします。 その結果、容疑者は、過酷な取調べに耐え切れず、つい自白してしまいます。 自白する人の多くは、一刻も早く過酷な取調べを終えたい、自分の身の潔白は、後から裁判所で主張すれば、裁判官はきっとわかってくれるはずだという一心で自白してしまうのです。
 しかし、裁判官の大半は、自白するのは犯人だからだと信じて疑わないわけですから、裁判所で実は無実なんです、と言ってみても後の祭りなんです。 自白する人と裁判官の認識の差が悲劇を生むことになるのです。
 このように、裁判官の自白に対する過大な信用と、それを利用した捜査機関の強引な自白獲得が、冤罪を生む大きな原因だと思います。
 なので、冤罪をなくすのに有効なのは、裁判官に自白は信用できないと考えを改めさせることです。 現在、論議されている取調べの可視化は、捜査機関の強引な自白獲得を防止し、仮に強引な自白がなされた場合、それを裁判官にみせつけ、自白なんて信用できないんだと目を覚まさせる、という効果があります。 国民救援会が取り組まれている裁判官宛の署名活動なども効果があるでしょう。
 これから映画が始まりますが、どうして奥西さんが無実なのかという点に加え、裁判において自白がどれほど信用され、一人歩きしているか、そして、このことがいかに危険なことなのかという点についても、ぜひ着目した上で、ご覧になっていただければと思います。
(本稿は、12月2日の「約束」上映会でのお話しを要約したものです。文責・S)

▼名張毒ぶどう酒事件の映画「約束」のDVDを貸し出します。 希望者は事務局まで


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