救援新聞・福岡県版  2014年1月5日号

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★  目次  ★
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 ■2014年新春
  憲法破壊の策動を止める大運動を!
 ■今年を勝利の年に!
 ■人権と正義のために力をあわせよう!
  参加しょう!参加をよびかけよう!
 ■第67回「解放運動合葬追悼会」への合葬者の推薦をすすめよう
 ■無実の者を死刑にしてよいのか!
  映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」をみて


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■2014年新春
 憲法破壊の策動を止める大運動を!

 2014年1月 福岡県本部会長
 あけましておめでとうございます。
 安倍政権は、特定秘密保護法、集団的自衛権、日本版NSCと、国民の反対をないがしろにし、平和を損ないかねない動きを始めています。 また、消費税増税や労働法制改悪の動きなど、国民の生活を破壊するような政策を強行しようとしています。
 きびしい情勢ですが、その一方で昨年は、私たち弁護士仲間の仁比聡平さんが国会に返り咲き、自民党の改憲策動に大きな打撃を与えることができました。 自由法曹団福岡支部で取組んでいる憲法の学習会では、当初の目標を早々と上回って、7,000人をはるかに超える聴衆を数えています。
 なによりも、昨年11月から12月にかけての特定秘密保護法反対の行動は力強いものでした。 国会前、首相官邸前、日比谷野外音楽堂などでは連日数百名から数千名もの人が集まりました。 福岡でも毎週の天神街宣に参加者が急激に増えていきました。 緊急集会も、急な呼びかけにもかかわらず、200名もの参加がありました。 もちろん、国民救援会もそれらの行動の中心の一つとして奮闘してきました。 残念ながら、特定秘密保護法は政府、与党の強行採決という暴挙によって成立してしまいました。 しかし、この間の国民の法案反対の声「戦争に突き進むことは許されない」との声の盛り上がりは、十分に今後の力になるものです。 久々ともいえるこの大運動の再生の経験を糧に、今後も続く憲法破壊の策動を止めていきたいと思います 。国民救援会は、様々な課題に、様々な事件活動に、旺盛に取り組んでいきます。 今年もよろしくお願いいたします。(12.15記)

 昨年末には、会費納入や年末救援統一募金にご協力いただきありがとうございました。感謝申し上げます。
 秘密保護法撤廃! 国家安全基本法反対! 戦争と弾圧、とりわけ言論弾圧は必ずともなう。 これは国民救援会の歴史の教訓。憲法を活かし、安倍政権の憲法破壊を阻止しょう!


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■今年を勝利の年に!
生存権裁判の不当判決に強く抗議する

 70歳以上の生活保護受給者への「老齢加算」の廃止決定の取消をもとめて全国9カ所でたたかっている生存権裁判で、唯一高裁で勝利していた北九州生存権裁判の差戻し審で、福岡高裁は12月16日、原告敗訴の不当判決を出しました。
 「老齢加算」の復活をもとめている裁判が続いている中、安倍政権は、生活保護費の切下げを強行しました。 憲法25条違反です。原告は、「上告して体の続く限りたたかっていく」「歯を食いしばり頑張る」と、上告してたたかう決意をのべました。

JAL不当解雇事件
 破産したJALは、会社更生計画に必要な希望退職者がでていたにもかかわらず、労働組合の弱体化をねらって解雇を強行。 東京地裁の不当判決に対して、全国にキャラバンなどによる支援の広がりやILOの勧告や世界のパイロット組合の支援で、高裁で証人尋問が実現 。12月24日と26日に結審。春には判決が出される見通し。

イワキ工業不当解雇事件
 20数項目の解雇理由をならべ労働者二人を解雇した社長は、裁判官から本当の理由は何か、と聞かれ「私を無視したから」と。 12年2月、仮処分で地位保全の決定。 裁判は大詰めをむかえています。
 次回1月21日13時に原告の尋問があります。判決も間近です。 署名にご協力ください。

九州アスベスト訴訟
 国や企業は、アスベストが人体に有害であることを知りながら、なんらの措置も取ることなく、多くの建設職人の命と健康を奪った。 昨年12月、東京地裁は国の責任を認めましたが、企業の責任を免罪、なによりも同じアスベストの被害者である「一人親方」への責任を認めませんでした。
 100万署名を達成し、国と企業の責任と一人親方も含めたすべてのアスベスト被害者を救う判決を勝ち取ろう!
 次回 2月7日13:30  結審3月19日13:30

署名ありがとうございます
 県本部は届いた署名を当該関係者に送付しています。
 最近、大崎事件、東住吉冤罪事件、福井女子中学生事件の関係者から礼状やお礼の電話がありました。 千葉県本部からはアスベスト訴訟の署名が送られてきました。

明治乳業賃金昇格差別事件
 1970年代に労働組合役員として活動し、会社から不当な差別を受けた労働者が、差別を受けたままでは死ねない、と退職したあとも差別撤回をもとめてたたかっています。
 昨年7月、都労委は証拠で明らかになった会社の不当労働行為を見逃し、労働者の請求を棄却する不当決定。 中労委に再審査をもとめる新たなたたかいがはじまりました。
 12月7日には報告集会をひらきました。

TN正社員化M事件
 昨年7月、最高裁が不当にも「上告不受理」決定。 すると派遣元のTプロは、これまでより10万円も低い賃金の派遣先を提示し、これを受けなければ契約解除、と迫ってきました。 Mさんがそれを拒否すると10月から契約を一方的に解約・解雇してきました。 Mさんは団交をつづけながら県労委に斡旋を申請して、Tプロへの復帰をもとめるたたかいをつづけています。

九州玄海原発差止め訴訟
 福島原発事故からまもなく3年をむかえようとしています。 この間にも、原発と人間は共存できない事実が次から次に発生しています。 安部政権は原発再稼働、原発輸出など国民世論に反する政治を強行しようとしています。
 原発を急いで1万人以上にして、玄海原発、川内原発の差し止めを実現しましょう。

冤罪・大崎事件
 第2次再審では証拠開示や事実取り調べもあり、裁判所の意気込みが感じられますが、「開かずの門」といわれる再審開始決定は大きな世論なくしてひらきません。 署名など一層のご支援を!

△テクノ経営セクハラパワハラ解雇事件、久留米市焼却場裁判、梅田原発労災裁判、杉森学園不当解雇事件、新日鉄コークス肺がん事件などの事件もたたかっています。ご支援を


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■人権と正義のために力をあわせよう!
 参加しょう!参加をよびかけよう!

★日豊線痴漢冤罪事件
 1月14日10:00
 判決
 地裁小倉支部
★TNC正社員化M事件
 1月17日10:00
 県労委 斡旋
 県庁
★イワキ工業不当解雇事件
 1月21日13:10
 原告尋問
 地裁小倉支部
★九州建設アスベスト訴訟
 2月07日13:30
 福岡地裁301
 結審 3月19日13:30
★テクノ経営・セクハラパワハラ解雇事件
 2月21日10:30
 ラウンド
 地裁
★久留米市焼却場裁判
 2月24日10:30
 福岡地裁301


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■第67回「解放運動合葬追悼会」への合葬者の推薦をすすめよう
 (推薦締切・1月末)


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■無実の者を死刑にしてよいのか!
 映画「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」をみて

 (Yさん)
 私は、「冤罪」という言葉は知っていたけれど、言葉を知っているだけで、実はそのことをよく知ろうともしていなかったし、その重みも何も理解していなかったのではないか。
それが、この映画を見たときの率直な感想です。
 獄中から無実を訴え続けている死刑囚・奥西勝さん。 この方の普通に人生を歩んできたごくごく一般の方が、ある事件をきっかけに突然自由を奪われ、拘束され、孤独の中での救いがたい恐怖。 それがしかも冤罪かもしれないという・・・。 理不尽すぎる人生に想いを馳せると、同じこの地球に生を受けたものとして、どうにかしてやれないものか、どうしたらいいのか、と胸が苦しくなります。
 また、「冤罪」の罪を着せられている人たちを救おうと、支え続けてがんばっている支援者の方たちの存在。 一切の実利的見返りを求めず奔走する様は、胸が熱くなりました。
 映画の中の「今度は晴れて、塀の外で握手をしましょう」と、ガラス越しに握手するシーン。 おもわず心が震えて涙ぐんでしまいました。
 そして、私の心に一番重く、深く残った問題。 人は人を裁けるのか、ということです。
 奥西勝さんは、1審は無罪だったものの、2審は逆転死刑判決。 そして死刑確定。 それから気の遠くなるような年月、なんと44年の月日を経て、再審開始、そして繰り返される悲劇。 再審開始決定取消し。 人が生きるか死ぬかですよ。 天と地ほどの差がある結果を突きつける司法とは、一体何なのでしょうか。
 再審開始決定をした、英断した勇気ある裁判官は、すぐ退職された。 それは何を意味するのでしょう。 検察、裁判所の保身を疑ってしまいます。 現代において、そんなことが許されるのでしょうか。 「一度は無実になった方ですよ」映画の中で、きっと現実でも奥西さんの支援者である川村さんが叫んだ言葉。 あなたたち、人の人生をなんだと思っているんですか。そんな言葉にならない叫びがあったと思います 。無実の者を死刑にしてよいのか。 映画をとおして、一人ひとりに鋭く問いかけできます。
 最後になりますが、これは書かずにおれません。 母タツノの969通もの手紙。 胸が打たれました。息子の無実を信じ、ひたすら帰りをまっていたに違いありません。 面会もガラス越しにしかできなかったでしょうか。 直に手を握ってやることはできたのでしょうか。 信じて待ち続けることはどんなに大変だったか。 それでも深い無償の愛で、息子を案じる母に、救いを感じます。
 奥西さんの無罪判決を待たずに亡くなった母タツノと川村さん。 この2人の無念をはらすべく、ぜひともこの歪んだ裁判をただし、不正義に打ち勝って貰いたい 。私も、この「冤罪」の恐ろしさを知らせていけたらと思います。 以上
 (2013.12.22作成)       


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