救援新聞・福岡県版  2013年7月5日号

☆★☆★☆★☆
★  目次  ★
☆★☆★☆★☆


 ■参議院選挙で憲法改悪、人権と民主主義を逆流させる勢力に
  審判を下そう!
  対話や宣伝を旺盛に
 ■会員拡大にいっそうのお力添えを
 ■司法が更生な判断を
  6月20日、TNC正社員化M裁判最高裁要請行動
 ■イワキ工業のNさん・Fさんを「職場に戻す会」が発足!
 ■傍聴のお願い  8月20日 13時10分  地裁小倉支部
  明治乳業争議団30年余の争議に解決の見通し
 ■生存権裁判を支える会
  第9回総会開かれる
 ■人権と正義のために力をあわせよう!
  参加しょう、参加をよびかけよう!
 ■無実の人を救う!
  冤罪 日豊本線痴漢事件


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■参議院選挙で憲法改悪、人権と民主主義を逆流させる勢力に審判を下そう!
 対話や宣伝を旺盛に

 参議院選挙のたたかいがはじまりました。 戦後、労働者国民が「不断の努力」(憲法12条)によってまもり、条文の実現を求めてきた憲法問題をはじめ日本の将来に重大な影響を与える選挙です。
 北九州総支部は、参議院選挙で「のびのび宣伝をすすめるために」学習会を6月8日にひらきました。 学習会には40人が参加。講師のT総支部長(弁護士)の話のあと、参加者から体験を踏まえた質問や経験談がだされました。
 「ハンドマイク宣伝中、警察がきたが、警察との対応者を決め、宣伝をつづけた」「『立ち入り禁止』の張り札があるマンションでも、暮らしに係わる大事なビラなので集合ポストに配布している」などいきいきと創意工夫した宣伝行動の経験が交流されました。

許可はいらない
 街頭宣伝やビラ配布は、憲法21条の「一切の表現の自由は、これを保障する」権利の行使です。 憲法が保障する基本的人権は、「現在及び将来の国民に対して侵すことのできない永久の権利として信託されたもの」(憲法97条)です。 これらの権利の行使には「国民の不断の努力」(憲法12条)が求められているだけで、誰かの「許可」を必要とするものではありません。
 「道路使用許可」が必要ないことの裁判例は、「有楽町ビラまき弾圧事件」の1966年2月28日の東京高裁判決、「東金国家賠償事件」の1991年1月28日千葉地裁判決で明快にされています。 詳しくは事務局まで連絡を(092-713-0144)


★▼目次へ▼★


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■会員拡大にいっそうのお力添えを
 県本部常任委員会は、組織、財政の基盤となる6月1日会員現勢を昨年を上回って迎えようとみなさんにご協力を訴えてきました。 この1年間に58人の入会者を迎えましたが、死亡や経済事情、名簿の不備などで88人の退会者があり、残念ながら昨年現勢を下回る結果となりました。 引き続き会員拡大にご協力をお願いします。

会費納入、夏期救援募金にご協力を!


★▼目次へ▼★


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■司法が更生な判断を
 6月20日、TNC正社員化M裁判最高裁要請行動

 (原告 Mさん)
 当日は台風の影響で悪天候でしたが、福岡からは原告の私を含めて4人が参加しました。 門前集会では、全労連のS組織局長、MICのH野委員長(新聞労連)、JAl争議団のUさん、明治乳業争議団のM事務局長から連帯の挨拶を受けました。
 要請には最高裁から岩崎訴廷首席書記官補佐が対応。 参加した17人全員の要請を細かくメモされていました。
 最後に原告の私が、「労働者派遣法」は、労働者を救済する法律ではなく企業を優遇する悪法である。 派遣元(Tプロ)と派遣先(TNC)は、派遣法を悪用して昨年3月に「派遣きり」を行い、今年の3月末には「雇い止め」をも企んでいた。
 昨年10月の福岡高裁判決は、派遣先TNCに3つの派遣法違反の事実を認定していること、判決のなかで「無線従事者は、安定した雇用者であることが望ましい」「控訴人が、正社員化を求めるのも理解できる」としていることも紹介し、とにかく、行政(福岡労働局・厚生労働省)が企業を指導する立場から逃れている現状では、私は何も救済されない。 このままでは、私の生活、そして人生が成り立たない惨状を訴えて、司法が公正な判断をくだすよう要請しました。
 初めて最高裁要請でしたが、総勢31人の参加をいただき、また要請に入れなかった人には報告集会まで待って頂くなど、感謝することばかりでした。
 東京争議団への加盟も呼びかけられ、最高裁への活発な要請行動を共に行いましょうと嬉しい激励も頂きました。 近い内に第2弾の要請行動を検討したいと思います。


★▼目次へ▼★


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■イワキ工業のNさん・Fさんを「職場に戻す会」が発足!
 小倉南区のイワキ工業から20項目に渡る解雇理由を付けられ解雇されたNさんとF原さんは、昨年3月に解雇無効の仮処分決定を受け、本訴をたたかいながら職場に暫定的に復職して働いています。
 本訴が公開の法廷ではじまると、会社は従業員たちに、2人の原告が「職場に戻らないよう嘆願書」を書かせて、裁判所に2回にわたって証拠資料として提出しています。 あからさまな誹謗、中傷、うそで固めて解雇を正当化し、2人の復職を阻もうとするもので、裁判の冒涜です。 2人の解雇理由に正当制がなかったことは、この1年半、暫定的に復職・働いてきた2人に何らの問題がなかったことが証明しています。
 6月18日、「イワキ工業のNさん・Fさんを職場に戻す会」(略称「戻す会」)の発足会が北九州生涯学習センターでひらかれました。


★▼目次へ▼★


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■傍聴のお願い  8月20日 13時10分  地裁小倉支部
 明治乳業争議団30年余の争議に解決の見通し

 1970年代に全国各地の工場で、職場に自由と民主主義、食の安全をもとめて活動した人たちが、それらの活動によって会社から受けた不当労働行為、賃金・昇格差別の是正をもとめ30年余たたかってきました。 そして、現在たたかっている東京都労働委員会が、7月9日に「命令」を出すと通知してきました。 これまでの交渉で、会社もみずほ銀行も「これ以上争議は続けない」と言明しており、都労委の救済命令で、ながいながいたたかいに解決の見通しがでてきました。
 争議団には元福岡工場労働者の3人も参加しており、これまで明治乳業九州本社やみずほ銀行福岡支店前での宣伝など粘り強くたたかってきました。 7月9日には3人も都労委で勝利の命令を受け取る、と張り切っています。


★▼目次へ▼★


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■生存権裁判を支える会
 第9回総会開かれる

 裁判の前日の5月26日生存権裁判をささえる会第9回総会が県内各地から39名参加して戸畑生涯学習センターで開かれました。
 総会ではO弁護士から裁判は厳しい状況にあると現在の全国の裁判状況を報告がありました。
 A原告団長は「8月から保護基準を引き下げるやり方は汚い、生活保護基準の生活水準と人を比べる、そんなやり方はますます貧富の格差が広がるだけ、今の運動を広げることが生存権裁判の勝利に結びつきます」と挨拶しました。
 41名いた原告は現在34名に、車椅子なし、杖なしで歩ける原告は1人です。
 原告の元気なうちに勝利の判決を!

 署名カンパに
 支援をいっそう強めましょう



★▼目次へ▼★


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■人権と正義のために力をあわせよう!
 参加しょう、参加をよびかけよう!

★参議院選挙

 7月 4日 公示
    21日 投票
★明治乳業争議団
 7月 9日 13:00
 都労委命令
★九州アスベスト訴訟
 7月10日 10:30
 地裁301
★大崎事件第2次再審請求 原口アヤ子さん本人尋問
 7月11日 13:00
 高裁宮崎支部
★JR日豊線痴漢冤罪事件
 7月16日 13:20
 地裁小倉支部
★九州アスベスト訴訟
 7月24日 10:30
 地裁301
★玄海原発訴訟 第3回風船プロジェクト
 7月28日 13:00 
★NECセミコン重層偽装請負裁判
 7月29日 14:00
 福岡高裁501 


★▼目次へ▼★


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■無実の人を救う!
 冤罪 日豊本線痴漢事件

 福岡県本部は、30年前に再審無罪となって社会に戻って来た免田事件、2008年地裁で無罪判決となった引野口事件の救援運動に取組んできました。
 いま、北九州市で起きた、日豊線痴漢事件について下記の「冤罪事件の支援についての基準」にもとづいて調査をおこなっています。 ご意見をお寄せください。
 次回公判は7月16日13時20分から論告求刑がおこなわれます。 地裁小倉支部

冤罪 日豊本線痴漢事件
 市職員「事実無根だ」
 映画「それでもぼくはやっていない」のような塩梅だ。
 公務員パッシングの一つなのか。 本人曰く、「身に覚えのない痴漢行為」で市職員が起訴された。
 福岡県迷惑行為防止条例違反に問われた市・環境局職員・H被告(55歳・起訴休職中)の初公判が、5月14日午後福岡地裁小倉支部207号法廷(大泉一夫裁判長)で開廷した。
 H被告は検察の起訴内容を「事実無根」と否定。 代理人も無罪を主張し、全面的に争うことになった。
 検察官の冒頭陳述によると、事件は昨年8月1日、JRの小倉駅行日豊本線車内で起きた。
 H被告は同日午前7時28分下曽根駅発小倉駅行に乗車。被告は5人掛けシートの前に立ち、西小倉駅までの間に、横に立っていた被害者女性(21歳)の右胸を左の甲で、円を描くように触り左手で臀部を触った。
 被害者は声を出せずにいたが、被告を逃がしたくないので西小倉駅に近づく頃、中学の同級生(男性)が同乗しているのをみつけ助けを求め、小倉駅で被告の降車前に痴漢行為を言及。
 改札口付近で被告は「警察に言え」「謝ったらいいのか」「もう仕事に行く」等と話した、と検察は陳述した。
 H被告は8月1日警察に現行犯逮捕されたが、証拠不十分で2日後の8月3日釈放に。 そして4ケ月後、よりによって今年1月1日に検察は起訴。
 この展開になぜ、の疑問が湧く。
 以後、H被告は起訴休職となっている。
 閉廷後、H被告は記者団に8月1日の「車内は混雑していて自分の周辺に被害女性がいた記憶はない。女性は視野にいなかった。サラリーマン、部活の高校生、予備校生がいて、車両の揺れで肩がぶつかり合った」「カバンは斜め懸けし、つり革は右手と左手を交互で持った。胸に空いた手を置いていた」と身振りをしながら話した。
 現在、次回公判までにH被告の同級生らで「支援する会」を結成する準備は進む。 一方で、降って湧いたような事件の展開に「冤罪では」と、国民救援会や市職労、市職員OB、市民らで仮称「Hさんを支援する会」結成も進む。


冤罪 日豊本線痴漢事件
 県の迷惑防止条例違反に問われた「冤罪・日豊線痴漢事件」は6月10日午前10時から終日、福岡地裁小倉支部207法廷で検察側証人尋問が行われた。 5月24日に結成された「日豊線冤罪痴漢事件を支援する会」は同日傍聴を呼びかけ家族を始め市職労組員や同OB、国民救援会が傍聴席を埋めた。 冒頭陳述で被告側代理人は「第3者が真犯人である疑いが否定できない」と述べた。
 証人は被害者の21歳女性と同級生の男性。 被害者女性と、中年男性が密着しているのを見た女性。 調書を取った警察官の4人。
 痴漢被害者は、実際の被害と法定尋問で複数回被害を受ける、と言われている。 だが、午前10時から約2時間にわたり証言した被害者女性は能弁でポルノ小説のような描写力で微に入り、細に入り、証言した。
 下曽根駅から乗車した被害者女性は、ショルダーバックを斜めに掛けにし、鞄部分をお腹の位置で抑えるように持っていた、と言う。城野駅の手前から加害者から触られ始め、城野駅を過ぎ、左手の甲で右胸を触られ続けた。
 南小倉駅に着く前には左手の人差し指で右胸を下から上に持ち上げりように触られ続けたが次の乗降客の多い南小倉駅でも移動せず仕舞。
 さらに加害者が右手の5本指全部を使って右胸をつかむように何度か触った。 動きは早く、ゆっくり・・・と何度か中断して触り、腰に手を回しお尻を触った、と証言。立っていた位置は列車入口付近のボックス席の仕切りを背もたれに背を向け、上半身は捻ったかもしれないが背は仕切りにくっつけたまま。
 「南小倉駅で何故、移動しなかったのか」の検事の主尋問に「乗降客が多く、怖くて動けなかった」。
 西小倉駅に着く直前、中学校時代の男子学生を見つけたので「痴漢にあった助けて」と助けを求めた、と話した。
 被告代理人の「事件のあった8月1日の調書には『犯人の顔を見た』の記載はない。 9月26日の調書にもない。 10月15日の検察調書には『犯人の顔を見た。 犯人は目を開けていた』とあるが、警察でも本当に『見た』といったのか、の反対尋問に「言いました」と答えた。
 「顔を見たというなら特徴を聞かれなかったか」に「体型は言った」。 被告代理人の「犯人の印象を識別していない?」に「確認はしている」。
 代理人の「はっきりした記憶はなかった。」の反対尋問に「この人というのは確認しています」。
 3人の裁判官も次々に尋問。 裁判長は(犯人として)捕まえた人の手が違った人の手だということはないですか」に被害女性は「犯人は目の前にいた」「顔はみていない」と答えた。
 「顔を見た」と事件当日の調書にないは日が経つに従い「見た」と変化。裁判官に「犯人は目の前にいた」「顔はみていない」と矛盾だらけ。
 被害女性の中学校時代の男子学生の電車内の立ち位置は、法廷証言では犯人のすぐ後ろだったが、警察調書では犯人と被害者という女性らがいたドア付近の場所とは進行方向の反対側のドア付近と真逆。
 この男子学生は西小倉で降りる予定。 Hさんも西小倉で降りる予定。
 反対尋問で男子学生は犯人の特徴を「白いシャツに首に掻きむしった跡」と答えたが警察調書には「白シャツ、黒スーツのズボン、50才位、170センチ、デブ」とあるだけ。 被告代理人の反対尋問には「覚えていません」。
 同男子学生は列車内でスマホをいじっていて、被害者女性に声を掛けられ同級生ということを思い出すのに5秒程かかった。 だが「久し振りというより試験のことで頭が一杯だった」と答え、犯人の体型も覚えていない。
 さらにこの男子学生は小倉駅でHさんに警察への動向を求め、Hさんの手を掴まえたにもかかわらず、単位取得が気になり被害女性から「行っていいよ」と言われ、Hさんからも何か言われたことは「覚えていない」と答えるなどいい加減。
 「支援する会」は裁判当日、1170人分の署名を裁判所に提出した。
 次回は6月19日午後1時から福岡地裁小倉支部207号
 
国民救援会「冤罪事件の支援についての基準」
@冤罪事件にとりくむ場合は、当該都道府県本部と中央本部が共同して、慎重に事実を調査します。
A中央常任委員会は、調査結果にもとづいて事件の内容や状況などを検討し、支援について決定します。

あれから30年
 死刑囚の免田栄さんが再審(裁判やり直し)によって戻ってきたのは、1983年7月15日でした。
 福岡県本部は、白鳥事件の村上国治氏の救援運動とあわせて、1969年から現地調査をはじめ、本格的な救援運動に取組みました。


★▼目次へ▼★


 ☆「資料集」に戻る☆