救援新聞・福岡県版  2010年1月5日号

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★  目次  ★
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 ■2010年 新年おめでとうございます
  何よりも先づ正しい道理の通る国にしょうこの我等の国を
 ■民主党鳩山党首に取調べ可視化など要請
 ■大きなご支援有り難うございました!!
  布川事件,再審開始決定
 ■葛飾ビラ配布弾圧事件の有罪判決(11月30日)に怒りを込めて断固抗議する!
 ■声かけあって、励ましあってたたかおう!
  裁判傍聴、署名、集会、宣伝行動
 ■北九州総支部長にT弁護士
 ■映画「松川事件」上映とレパ犠牲者激励
 ■第63回解放運動無名戦士合葬追悼会
 ■また聞きし 裁き人らのたわごとに 二つめのため息 いかずちとなれ
  葛飾ビラ弾圧の最高裁判決


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■2010年 新年おめでとうございます
 何よりも先づ正しい道理の通る国にしょうこの我等の国を

  H氏(作家・元松川事件対策協議会会長)
 今年は、昨年つくった新しい情勢をさらに前身させるために重大な年になります。 人間の尊厳を奪われた多くの事件があります。 それらの事件に勝利するためには、裁判所に「何よりも先づ正しい道理」にもとづく判決を迫ることが国民救援会に課せられています。
 新しい情勢をさらに前進させるために、裁判所に国民の常識を、道理を届ける大きな運動が求められています。 今年もともにがんばりましよう!
 2010年1月元旦
 日本国民救援会福岡県本部 常任委員会


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■民主党鳩山党首に取調べ可視化など要請
 12月17日、山本会長外3人は、民主党福岡県連を尋ね、「捜査における取調べ全過程可視化法案の早期成立を求める要請書」「自由権規約『個人通報制度』(第一選択議定書)の批准を求める要請書」を、政務担当事務局の中屋大介氏に手渡し要請しました。
 いずれも先の総選挙で民主党がマニュフェストで公約しているものです。 取調べの可視化も選択議定書の批准も緊急な課題となっており、次期国会で提案成立させるよう鳩山党首に要請しています。

捜査における取調べ全過程可視化法案の早期成立をもとめる要請書
 最高裁は、12月14日付けで布川事件の杉山卓男、桜井昌司両氏の再審開始を決定しました。 事件当時20歳の青年だった両氏は29年間の獄中生活を含めた42年間、無実を訴え続けることに人生を奪われました。 さきに再審がはじまった足利事件もあり、改めて冤罪・誤判のこわさを実感させられます。
 今年から始まった裁判員裁判や足利事件、布川事件で冤罪・誤判が明らかになって刑事裁判と捜査、取調べ、自白などへの国民の関心が高まっています。
 日本国民救援会福岡県本部は、1983年7月に死刑囚から再審・無罪を勝ちとった免田事件をはじめ昨年3月一審無罪を確定させた引野口事件など数多くの冤罪・誤判事件の救援運動に取り組んできました。 なかには、無実でありながら下獄を余儀なくされた方もいます。
 私たちは、冤罪・誤判事件の救援運動をとおして、冤罪・誤判事件を防止するには、「自白」偏重の捜査・取調べと、「自白」を証拠の王とする裁判からの転換が必要と訴えてきました。 そのために、代用監獄の廃止、取調べの可視化や弁護人の立ち合い、検察手持ち証拠の全面開示などを要求しています。
 裁判員裁判で、足利事件、布川事件のような「虚偽自白」により無実の市民を罰することがあってはなりません。 取調べの公正、透明化を確保するために取調べの全過程可視化は急務になっています。
 貴党は、さきの総選挙のマニュフェストで、「取調べの可視化で冤罪を防止する」と公約されました。
 来る国会において、取調べの全過程可視化を実現する、刑事訴訟法の一部改正案を成立させられるよう要請いたします。

 2009年12月17日
 民主党 党首 鳩山由紀夫殿
 
  日本国民救援会福岡県本部


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■大きなご支援有り難うございました!!
 布川事件,再審開始決定

 12月14日、最高裁は布川事件について、検察の特別抗告を棄却し再審を開始する決定をくだしました。 再審公判で無罪を勝ち取り、晴れて冤罪をはらすまでご支援を!


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■葛飾ビラ配布弾圧事件の有罪判決(11月30日)に怒りを込めて断固抗議する!
 言論・表現の自由は最高裁であっても奪えない基本的人権。 「我等の国に正しい道理」を通すには、先ず裁判所に対する国民大衆の大きな批判と監視が必要です。


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■声かけあって、励ましあってたたかおう!
 裁判傍聴、署名、集会、宣伝行動

 裁判日程など(1月〜2月20日 判明分)
★西日本石炭じん肺訴訟
 1月18日(月)11時
 福岡地裁
★爪ケア事件
 1月20日(水)15時〜17時
 福岡高裁
★九州定温輸送不当解雇事件
 1月26日(火)10時30分
 福岡高裁
★読売押し紙訴訟・Sさん裁判
 1月26日(火)13時10分
 福岡地裁 判決
★九州B型肝炎訴訟
 1月26日(火)15時
 福岡地裁
★読売押し紙訴訟・Hさん裁判
 1月27日(水)14時
 福岡地裁(公判準備手続き) 
★自由ヶ丘高校・I先生不当解雇事件
 1月28日(木)13時10分
 福岡高裁 判決 
★大野城市まどかぴあ不当解雇事件
 1月29日(金)14時
 福岡高裁
★読売押し紙訴訟・Mさん裁判
 2月 2日(火)13時
 福岡地裁
★TNC正社員化・Mさん裁判
 2月 3日(水)11時
 福岡地裁
★すべての事件の勝利をめざす新春のつどい(予定)
 2月 5日(金)18時30分 
★自立支援法訴訟
 2月12日(金)13時
 福岡地裁
★自由ヶ丘高校「県労委救済命令」行政訴訟
 2月17日(水)13時
 福岡地裁 判決
★大牟田公害病遺族保障不支給決定取消訴訟
 2月18日(木)11時30分
 福岡地裁
★押し紙訴訟・Kさん裁判 福岡地裁(公判準備手続き)
 2月19日(金)15時


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■北九州総支部長にT弁護士
 12月3日、第27回北九州総支部大会がひらかれました。 大会では、情勢に関する発言や九州定温輸送不当解雇事件、春日病院不当解雇事件や生存権裁判など事件関係者の活発な討論がされました。 役員には、これまで14年間総支部長を続けてこられたA弁護士にかわってT弁護士を新たに選出しました。


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■映画「松川事件」上映とレパ犠牲者激励
 12月4日、福岡市で、松川事件発生60周年とレットパージ(行政定員法)60周年の映画上映と犠牲者激励会がひらかれ100人が参加しました。

北九州上映会
 1月24日(日)13時30分〜
 男女共同参画センター   ムーブ  5階


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■第63回解放運動無名戦士合葬追悼会
 社会進歩の活動に参加された故人に感謝と敬意を 第63回解放運動無名戦士合葬追悼会に合葬する故人の推薦を受け付けています。 推薦にはご遺族の了解が必要です。


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■また聞きし 裁き人らのたわごとに 二つめのため息 いかずちとなれ
  荒川庸生(あらかわ ようせい)
 今井功と中川了滋両氏には、定年退官を直前に名誉ある判決をして歴史に名をとどめるチャンスがありました。 しかし、彼らが残したのは汚名だけでした。 そのことにはお悔やみを申し上げなければなりません。 入廷して事前取材撮影に応じる今井裁判長の顔を見て、あ々、この人は真っ当な判決をすることはないと予測できました。
 立川事件の時もそうでしたが表情には邪検と傲慢さしか窮えず、判決が社会に与える影響の重大さと事実と社会の現実に誠実に向き合う姿勢が微塵も感じられなかったのです。 直観的に、映画「白バラの祈り」で、ナチスドイツに抵抗のビラを撒いた学生たちにギロチン処刑を命じた裁判長フライスラーと相通じると思いました。
 それにしても、判決指定日の取消しと松井弁護団長の意見陳述を認めるなどの異例の行動はなんだったのでしょうか。 市民常識と憲法の様々な条項を無視したことへの、予想される国民的批判を覚悟した上でも結論だけは譲らない、その悪意と後ろめたさを取り繕うポーズであったとしか考えられません。
 最高裁の異常さは、日本の裁判所の抱える根本的な欠陥に由来していると思います。 戦前・戦中の暗黒社会を権力の一機関として支えてきた機能が、戦後も何ら反省することなく人脈も意識もそのまま継承され、最高裁だけは変わることなく国民・市民を統制する権力機関としての役割を果たしてきています。 まさしく帝国最後の砦です。
 彼らの土俵、法廷での闘いは基本的には終結となりそうですが、「石の要塞」の中でひけらかす権威も国民の良識の前には無力です。
 新聞報道・社説などもほとんどが批判的なものであり、市民常識も判決を受け入れることはないでしょう。 新たな土俵は「市民常識と国連自由権規約委員会」となります。 「12・4集会」の成功と熱気を力に、悪判決を判例として機能させない闘いをすすめ、判決を実質的に凍結・反故にして歴史の彼方に葬り去りましょう。
 北国からは雪の便りが届きます。インフルエンザにお気をつけください。
 合掌

日本弁護士会連合会宣言
 当連合会は、今こそ表現の自由と知る権利の重要性を強く訴えるとともに、表現の自由を確立する活動を通じて、21世紀の日本において自由で民主的な社会が実現されるために全力を尽くす決意であることを表明する。
 以上のとおり宣言する。
 2009年(平成21年)11月6日
 日本弁護士会連合会

日本ペンクラブが抗議
 日本共産党のビラ配布でマンションに立ち入った行為が住居侵入に当ると認定した、葛飾ビラ配布弾圧事件の最高裁判決について日本ペンクラブ(阿刀田高会長)は18日、抗議声明を発表しました。
 声明は「最高裁は商業的ビラが何百、何千倍も配られている現実に目をつぶり、形式的に住居侵入罪を適用した。 木を見て森を見ない姿勢は、かって司法が分別なく、小心翼々と政治権力に追従した歴史を思い起こさせる」としています。 (2009・12・19)


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