2006年6月19日

声 明
共謀罪の新設法案の継続審議にあたって

日本国民救援会中央本部

 昨6月18日、第164通常国会が閉幕し、「内心の自由」を侵す共謀罪の新設法案が継続審議となりました。 同法案の成立を阻止したことは、広範な反対運動の大きな成果です。
 今国会で自民・公明与党は、圧倒的多数の議席を背景に、民主党修正案の「丸のみ」を含め、数度にわたり強行採決を策しました。 しかしこれに対し、日弁連など法曹団体、日本ペンクラブをはじめとした表現者、そして市民団体や労働組合などが共同し、野党の国会議員と国会の内外で集会や街頭宣伝などを繰り広げました。 その力が、マスコミを動かし、反対世論を急速に広げ、採決を阻止しました。
 国会での審議が進むにつれ、犯罪の実行行為がなく、単に話し合っただけで罪となるといった共謀罪の危険な本質がいっそう明らかになっていきました。 また、国会終盤には、政府が共謀罪制定の唯一の根拠としていた、「国際組織犯罪防止条約が批准できなくなる」という主張についても、政府の翻訳が誤りであり、国連条約などの原文は必ずしも共謀罪の新設を求めていないことが明らかにされました。 新設の真の狙いは、「戦争をする国」づくりのための憲法改悪や悪政に反対する国民の運動を監視し、その声を抑え込こもうとするところにあります。
 救援会は、憲法の保障する思想・信条の自由や内心の自由を侵害し、悪名高い「治安維持法」の現代版というべき共謀罪の制定を阻止するために、全労連・自由法曹団と共同してパンフレットを1万部作成・普及し、また広く市民団体と連帯し、反対運動をすすめてきました。さらに、全国各地の救援会の組織と会員が、反対運動の中軸となって奮闘しました。
 救援会は、秋の臨時国会で共謀罪をきっぱりと廃案にし、その新設の企てを断念させるまで、ひきつづき広範な人びとと連帯し、運動をつよめていく決意です。