2005年9月30日

警視庁世田谷署による「建造物侵入、国公法弾圧事件」
国公法での不当な起訴に対する抗議声明


       日本国民救援会  会 長  山田 善二郎
  
 東京地検(國分敬一検事)は、さる9月10日、国家公務員の男性が警視庁職員官舎の1階集合ポストに「しんぶん赤旗」号外を配布したとして、「建造物侵入罪」で世田谷署に逮捕され、その後国家公務員法違反で追送検された事件で、「建造物侵入罪」を不起訴とした一方、「国家公務員法違反」を理由に、9月29日に不当にも起訴しました。
 日本国民救援会は、この事件は、憲法で保障された表現の自由を蹂躙し、憲法違反の国家公務員法を適用した点で、二重に不当な逮捕・送検であり、ただちに不起訴とするよう強く求めてきました。 この事件の不当性は、東京地裁が東京地検の男性の勾留請求を却下したことでも明らかです。
 東京地検は、逮捕の発端となった「建造物侵入罪」については不起訴としましたが、これは東京・立川自衛隊官舎ビラ配布事件で、政治的ビラ配布が憲法に保障されたものであり、「民主主義の根幹をなすもの」とした無罪判決に照らして当然の決定です。
 にもかかわず、昨年3月の社会保険庁に働く堀越明男氏の国公法弾圧事件に続いて起訴した暴挙に対して、強い怒りをこめて抗議するものです。
 国家公務員といえども一市民として行う政治的活動は自由であるべきです。 国家公務員の政治活動の自由を不当に制限する国家公務員法102条は、戦後アメリカ占領軍の強要のもとに制定されたものであり、憲法違反の法律です。 これまで9つの地裁・高裁が、国公法102条違反事件について無罪とする判決を出しています。
 堀越さん同様、休日を利用し、一市民として自らの信ずるところに従い、ビラを配布したことがなぜ犯罪となるのか、批判の声が広がっています。 また、今回の事件でも、堀越さんの事件で長期にわたりプライバシーを侵害する違法な捜査と情報収集を行った、警視庁公安部の捜査官らの関与も明らかになっています。
 今回の起訴は、小泉自公政権と支配勢力によってすすめている「戦争をする国」づくりにむけた、もの言わぬ公務員づくりと、自由と平和を求める国民の言論活動の封殺を狙ったものです。
 このような暴挙に対し日本国民救援会は、この国の平和と民主主義を守るために自由と正義を愛するすべて人々と連帯して、違憲無罪判決を勝ち取るため全国の組織をあげてたたかうことを表明し、抗議の声明とするものです。